紫の線は 11月7日の,青い線は 11月8日の軌跡。 .

 

 

 「回春院」と「大覚池」

 

 

 

 

 

 山のなかに入っていく。寺の林と、シデ,ケヤキ,クリ等の落葉樹林が混淆している。

 

 

 

 

 もとは、この平場に「回春院」があったそうだ。

 

 

 


 

 


 「やぐら」は、平場を囲む崖に掘られている。平場の高さから出入りできるから、「回春院」に付属する墓所だったのかもしれない。やぐら穴①↓。〔やぐらの番号は、説明の便宜のために仮につけたもので、公式のものではない。以下同じ〕

 

 

 

 


 奥に、外部に通じる穴が開いている。向こう側から見ると↓。

 

 

 

 

 開口部は、「やぐら」の設 しつら えなのか、壁が崩壊して開 あ いてしまったのかはわからない。もしかすると、こちら側も、崩れた隣りの「やぐら」なのかもしれない。

 

 やぐら②↓。入口に袖があり、奥に四角い小穴を設けている。鎌倉時代様式。「やぐら」の形は良く保存されている。

 

 



 

 


 やぐら③↓。入口が狭く、奥行きも浅い。「やぐら」を造りかけてやめた跡のようにも見える。

 

 

 

 

 やぐら④↓。入口に袖のある鎌倉時代様式。

 

 

 

 

 

 ④の内部。四角い部屋の形に成形されておらず、粗削りしたままの様子だ。

 

 

 

 

 これら「回春院奥やぐら群」は、永らく荒廃するままに放置されていたが、最近地元住民による「保存会」が組織され、保存への一歩が踏み出されたという。

 

 

 

タイムレコード 20251107 [無印は気圧高度]
 (2)から - 1528回春院「大覚池」[58mGPS] - 1537「尾根上の十字路」※1541 - 1542「回春院跡」平場 1633 - 1635「尾根上の十字路」※ 1640 - 1700「大学前」バス停[2m]。

 

 踏査記録⇒:YAMAP

 

 

 

 

 つぎの「朱垂木やぐら群」へ向かう。タブノキ,アラカシなど常緑照葉樹が主体だが、黄葉しているのはコナラのようだ。ヤツデ,アオキ,ササなどの下層樹も盛んだ。

 

 

 

 


 「朱垂木やぐら群」は、横並びの三段から成り、ざっと 10穴以上が見出せる。まず、下段↓。中央に隔壁(柱?)があって2室に分かれる。左の部屋の隅には壇がある。

 

 

 

 

 


 


 「朱垂木やぐら群」、中段、①~④穴↓。この「やぐら群」は、天井が低いのと比較して、間口も奥行きも広いのが特徴のようだ。

 

 

 

 

 穴と穴の間の「袖」が円柱のようになっている。ギリシャの神殿建築のようだ。あいだの隔壁はあって、部屋は分かれている。

 

 

 

 

 

 

 いちばん右の部屋には、「袖」もはっきりとある。

 

 

 

 

 これらも↓、“円柱”・隔壁つきの隣接穴。

 

 

 

 

 こちらの場合には↓、隔壁がなく、“円柱” を残して各部屋は連結している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この「やぐら」↓は、比較的長い「羨道(袖)」を持つ。

 

 

 

 

 この「やぐら」↓は、袖も円柱もない四角い穴だ。その右には、きわめて浅くて小さい四角いくぼみがある。こういうのも「やぐら」だろうか?

 

 

 

 

 

 以上で、「朱垂木やぐら群」の下段,中段をひととおり見た。しかし、この「やぐら」群の見どころは上段にある

 

 

 

タイムレコード 20251108 [無印は気圧高度]
 「建長寺」バス停[39mGPS]1327 - 1335「回春院」分岐[51mGPS] - 1339「大覚池」池尻[59mGPS]1347 - 1354「尾根上の十字路」 - 1356「回春院跡」平場 1633 - 1502「古い道標」[139m]1513 - (4) へつづく。