巻向 まきむく の無人直売所で買ったレモンと蜜柑↑。
先週の3日間、奈良盆地の東の山裾を辿っていました。1日目は、近鉄線・榛原 はいばら 駅から長谷寺 はせでら 駅まで。
「鳥見山 と(り)みやま」は、『古事記』『日本書紀』『万葉集』に「とみやま 鳥見山,跡見山」の名で登場する。じつは、この宇陀 うだ 市榛原の「鳥見山」のほかに、隣りの桜井市にも「鳥見山」があって、両方で本家争いをしている。本居宣長も、「榛原って地名は広いんだから、どっちでもいいだろう」などと言っているから、決着がつかない。桜井市の「鳥見山」は野球場から温水プールまであって騒がしいが、宇陀市のほうのは、山頂まで行く人も稀れで、閑静な山だ。
シルエットは行程の標高(左の目盛り)。折れ線は歩行ペース(右の目盛り)。標準の速さを 100% として、区間平均速度で表している。横軸は、歩行距離。
榛原駅から出発すると、一直線に昇って行くので、きつい。路線バスで「宇陀警察署前」停留所まで上がると、少しラクになる。
停留所から、榛原の東南・室生 むろう 方面の山が見える↑。戻る方向へ 5分ほど歩くと、駅からの登山道にぶつかった↓。
いまどき、珍しい↓。
どうやら鳥見山が見える↑。↓ふりかえると、室生方面の山々が連なっている。
ここが登山口↓。車道から岐れて山路に入る。
ヒノキ林にシラカシが混じる。しばらく昇ると、公園風になって、コンクリート製の展望台がある。公園に自然雑木が侵入してヤブ化している。イチョウ,ツツジ,イロハカエデ,サクラ,ヒイラギ,クリ,アカマツ,ススキなど。
もっと上にも展望台があるので、便宜上ここを「下の展望台」と命名しておこう。↑近景・左の尖がった山が伊那佐山。左奥の高い山地は「台高」〔「大台ヶ原」など紀伊半島の脊梁山脈〕方面。右奥は、「大峰」〔「台高」と並ぶ脊梁山脈〕方面。
南東方、室生方面↑。南方、伊那佐山↓。
展望台の下でクリが鈴なりだ。
公園の広場。「鳥見山」「榛原」の由来について説明板がある。
『日本書紀』には、神武天皇が「鳥見山」に天の神々の礼拝所を立てて「榛原 はりはら」と名づけたとの伝説が記されている。しかし、「榛原 はいばら」は元は「萩原」だったというから、あやしいものだ。『万葉集』〔巻10-2346〕のほうは、
窺 うかね らふ跡見山 とみやま 雪の いちしろく 恋ひば妹 いも が名 人知らむかも
「うかねらふ」は「跡見」の枕詞だが、冬の狩猟を思わせる。鳥獣が多く、豊かな猟場だったのだろう。(⇒:宇陀市ポータル)
公園の植樹が色づき始めている↓。
鳥見山頂上↓。ヒノキ林の中で、展望はない。山名標も見当たらないが、三角点があるので頂上にまちがいない。
杉、檜の植林のなかを下りていく。コナラ、クリが混じる↓。
木の間から、宇陀の山々が見えてきた。
さきほどの公園が見える。
「上の展望台」に下りてきた。真昼の太陽が照りつける。撮影には不向きだ。
東方に額井岳 ぬかいだけ ↓。一名「大和富士」。近鉄からよく見える山だ。
東→南→西へカメラを回していく。室生方面↓。
近景の伊那佐山と、遠景の「台高」↓。
宇陀の山々。右遠方に金剛山↓。
ここでもクリが鈴なり。
タイムレコード 20251009 [無印は気圧高度]
「宇陀警察署前」バス停[348mGPS]915 - 921「榛原駅からの登山路」出会い[353m 357mGPS] - 933登山口[419mGPS]945 - 959車道出会い[516mGPS]1450 - 1001長谷寺方面分岐※[541m] - 1003車道岐れ*[552m] - 1013「下の展望台」[584mGPS]1023 - 1030鳥見山公園広場[585mGPS] - 1038「上の展望台」入口[634mGPS] - 1103鳥見山[734mMAP 730mGPS]1123 - 1146「上の展望台」[633mGPS]1200 - (2)へつづく。