「天、我レヲ動カセリ」――という言葉が頭をよぎった、「明鏡止水ニ立タシム矣」。
赤城山の頂上はカルデラになっていて、「大沼 おの」「覚満淵 かくまんぶち」という2つの火口原湖がある。「小沼」は外輪山上にできた爆裂火口。
外輪山を周回する縦走コースを立ててみた。3回か4回に分ける計画だが、東側にある赤城最高峰「黒檜山 1828m」を最初に片づけておきたい。赤城山といえば、なだらかな裾野牧場のイメージだが、2000メートル近い「黒檜」は、さすがに手ごたえがあった。
シルエットは行程の標高(左の目盛り)。折れ線は歩行ペース(右の目盛り)。標準の速さを 100% として、区間平均速度で表している。横軸は、歩行距離。
「覚満淵入口」バス停で下車。ほかに降りる乗客はいない。みな、登山口からピストンらしい。
↓ここから遊歩道に入る。「覚満」は、平安時代の比叡山の僧で、はるばるやって来て法会を催したという。
まもなく湖畔の木道になる。
ミズナラ、シラカバ、ウリハダカエデが多い。「黒檜山」「駒ヶ岳」が淵に映る。
湖畔を一周する木道が整備されている。車で来てここだけ散歩する観光客も多いのだろう。
「覚満淵」は、はるか昔、「大沼」の水位が高かった時には、一体のカルデラ湖だったらしいが、現在は 20-30メートルの標高差がある。ズミ、レンゲツツジ、ニッコウキスゲの灌木林と、ミズバショウ、ヌマガヤ、モウセンゴケなどの湿原が取り巻いており、北岸には、泥炭の堆積した高層湿原がある。そこには、ミズゴケ、ツルコケモモなどの日本海側の湿原植物が見られるという。かつての寒冷期(江戸時代?)には、東北・日本海と一体の植生だったのが、温暖化した現在では、フローラの島になって残ってしまったのだろう。
↓中央火口丘の「地蔵岳 1674m」。頂上にマイクロウェーブが並んでいる。むかしは「大沼」湖畔からリフトがあったが、いまは無いようだ。
↓「覚満淵」から離れて、カルデラのへりへ登っていく。ミズナラ、シラカバ、ダケカンバ。
あっというまに「鳥居峠」駐車場に到着↓。私の高度計で 1395メートル。正面は、これから登る「篭山」。難なく外輪山の稜線に乗った。ここに車を止めて歩き出す人も多いようだ。
「鳥居峠」から、あらためて「覚満淵」を俯瞰する↓。奥に「大沼」の水面も見える。
「篭山」登頂。「大沼」が見える。
タイムレコード 20231019 [無印は気圧高度]
「覚満淵入口」バス停[1362mGPS]853 - 913覚満淵・東湖尻[1369mGPS] - 922鳥居峠[1395m]927 - 935篭山[1440m]947 - (2)につづく。