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明治天皇 大喪儀 京都駅に到着した霊柩列車を迎える人々
 

 

 

 

 

 

 

 

故安倍晋三の「国葬」は、国民の大多数が「納得できない」

という世論調査結果ですが、

ここではそれがテーマではありません。

私が「国葬」を気に入らないのは「アベが嫌い」だから。

もうそれで十分ですw

 

しかし、当初から、「この国葬には、法的根拠がない

と言われており、私の支持する《れいわ新選組》などは、

それを理由に欠席を表明している。なのに正直言って、

「なぜ法的根拠がないのか?」――

議論が難しくて、よくわかりません。

↑こちらのブロクで、ようやく少し分かりやすい記事を

上げてくださいました。内容は、リブログ先を読んでください。

 

↓こちらは、私なりに噛み砕いた理解。

これでじゅうぶん……などとは言いませんので、

異論、補足等、あればぜひ、コメント欄へお願いします。 

 

 

明治天皇・伏見桃山陵

 

 

 議論が難しくて分からなかったのが、やっと少し理解できました。

 内閣は、「国」の一機関であって、「国」そのものではないから、内閣の独断で決めて行なう葬儀は《内閣葬》であって国葬ではない。それを無理矢理「国葬」と呼んで、内閣府の予算を越える国の予備費から支出すれば違法である。――これが基本。

 

 それでは、内閣は、なぜ、葬儀以外のことは、‥たとえば、激甚災害の指定だとか、福イチの汚染水放出だとか、閣議決定で決められるのか? 「これこれのことは、内閣が決めなさい」という法律があるからです。つまり、「国権の最高機関」(憲法41条)である国会が、法律を作って、内閣に対して権限を委任しているから、その委任された権限の範囲内ならば、内閣は閣議で決定することができるのです。

 そこで、適法に国葬を行なうには、方法は2つある――ということがわかります。①国会で、「どんな場合にどんな目的で、誰の意思決定によって国葬を行なうのか」を規定した法律を作って、それに基づいて行なう。――これなら、手続上はまったく問題がない。激甚災害の指定は、そうやって法律で内閣に与えられた権限です。天皇が亡くなった場合の「大喪の礼」は、皇室典範(法律と同位にある法令)25条と憲法7条10号によって天皇に権限が与えられており、その実質的決定権は、憲法7条柱書によって内閣に属します。

 

 しかし、「国葬法」という法律は、現在存在しないので、①の方法で国葬を行なうことはできません。

 

 岸田首相の言う「内閣府設置法」は、国葬の趣旨・目的や決定権の所在を定めた法律ではありません。単に、内閣府の所掌事務の一つとして「国の葬儀」を挙げているにすぎない。ですからこれは、他の法律や皇室典範が、なんらかの国の葬儀を定めている場合には、その実務は内閣府で担当することもできますよ、と言っているだけだ――と理解するほかはないのです。「内閣府設置法」は、国葬の「法的根拠」にはなりません。

 

 (そもそも内閣府内閣は違います。内閣府は、内閣に属する省庁のひとつであり、その長は総理大臣です。「内閣府設置法」が法的根拠だというなら、閣議決定で決めることはできません。総理大臣が独断で決めなければならない。岸田さん、あなたは他の大臣を巻き込まないで、自分一人の独裁で「国葬」を強行する勇気がありますか? あるならやりなさい。なければやめておけ。)

 

 もっとも、①ほど確実な法的根拠ではないが、国葬を行なう方法は、もうひとつあります。②内閣の独断ではなく、国会、最高裁にも意見を聞いて、「三権」の承認を得て行なう。吉田茂の国葬は、これで行ないました。内閣国会、裁判所のうち、少なくとも「国権の最高機関」である国会の議決は不可欠です。国会の議決も、国会の制定する法律もない「国葬」を、内閣が独断で行なえば、憲法違反の疑いが生じることになります。

 

 けっきょく、まとめてザックリ言えば、行政権(内閣)というのは、好き勝手に何でもできるわけではない。法律のないことをやってはいけない。「この官庁は、これこれの行政事務を担当しますよ」という法律(行政組織法、設置法)があるだけではダメで、具体的に、「どんな場合に、どういうことを、どういう目的で決定して、やりなさい」という法律で権限を与えられなければ、何もできない。――これが基本。ただ、それでもどうしても、新しい法律を作っているヒマがない時には、↑②のような方法もある、ということです。

 だから、天皇以外の国葬は、今のところ法的根拠がないわけです。

 

 (ちなみに、皇室典範によれば「大喪の礼」は天皇だけ。上皇が亡くなっても「大喪」は行われないし、「国葬」を行なえば、安倍国葬と同じ問題が生じます。思いつきで「国葬」をしたり、逆にタブー視したりするよりも、「大喪」の対象に上皇を加えるとか〔加えていないのは、平成上皇に安倍がぶつけたイジワル?〕、対象者を絞った「国葬法」を作るとか、このへんできちんと議論しておいたほうが良いですね。)

 

 

明治天皇・伏見桃山陵

 

 

 

 

 

 

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