山頂から尾根伝いに東へ下りる。コアジサイのかわいい葉が林床を埋めている。規則的な鋸歯が特徴的な葉。アジサイの花期はもう終っている。頂上で見たノリウツギもアジサイ属。咲いているように見えたのは装飾花(萼片が花びらのように見えるもの)で、本物の花は、このコアジサイと同様、すでに実に向かって熟しつつある。よかったらきのうの写真をもういちど見てほしい。
西側の尾根とは、森のふんいきがだいぶ違う。森らしく高い木が多い。樹種も違う。西側では灌木性のリョウブが多かったが、↓右の木はナツツバキだろう(左のはアセビ)。ブナも、こちらのは太くて堂々としている。もっとも、細い若ブナが見あたらないとかえって不安になる。世代更新ができていない……絶滅に近づいていることになるからだ。
「富士見台」。晴れていれば富士山がきれいに見えるスポットなのだが、ガス(雲の中にいること。登山用語)でまったく何も見えない。雲の切れ目を待っていたが、青空は一瞬現れるものの、富士山は見えない。
ここでも、古い写真を出しておこう。やはり、風景を撮るなら空気の澄んでいる冬がよい。
富士山の左に、南アルプスが顔を出している。その部分の拡大↓。
↑左から「農鳥岳(のうとりだけ)」「間ノ岳(あいのだけ)」「北岳」――あわせて「白峰(しらね)三山」。
説明の看板も、いまはボロボロになってしまっているから、古い写真で見ていただこう。
さらに下ってゆく。たしかに樹相が西側と違う。ホオノキ、ヒメシャラ、ウリカエデ、ミズナラ、ミツバカエデ、下生えはアセビ。
リョウブが花をつけている。
「鋸岳展望台」↓。ここもやはり展望はない。
古い写真を出しておくとしよう。ほんとうに鋸の歯のような稜線だ。崩壊が著しいので登山禁止になっている。禁止されても登る人は登るが。
無雪期の「鋸岳」↓。これは「呼子岳」肩付近から。愛鷹山は、いろんな季節に来てみると良さがわかる。
「富士見峠」。直進すれば「黒岳」へ登り返すが、きょうは行っても何も見えないから、右の下山路へ。
「愛鷹山荘」↓。昭和のアルピニストが利用した、ちょっと知られた山小屋。現在は「須山地区青少年育成会」が管理している。外見は悪いが、中は清潔で、きれいに使われているそうだ。
この谷間は湿気が多くて、樹も岩も苔におおわれていて滑りやすい。気をつけないと危険な下り。
「山神社」。ここが、こちら側の登山口。登山者用に広い駐車場もある。
「山神社」から 20分ほどで「愛鷹登山口」↓。バス停があるが、時間に余裕があるので、「須山」市街まで車道をぶらぶら歩いてみる。
「須山」まで下りると、空はすっかり晴れてしまった。雲があったのは「越前岳」↓のまわりだけだったのかもしれない。
左から、「位牌岳」、「越前岳」、「黒岳」。
踏査記録⇒:YAMAP
タイムレコード 20220730 [無印は気圧高度]
(2)から - 1416「富士見台」[1420m]1430 - 1442「北白ガレン」[1347m] - 1510「鋸岳展望台」[1192m]1530 - 1602「富士見峠」[1005m]1610 - 1616愛鷹山荘[979m] - 1700山神社[770m]1720 - 1736「愛鷹登山口」[732m]1740 - 1812「須山」交差点[591mGPS]。