焼山から武川岳へ、さらに縦走路をたどる。あいかわらず、トレランの団体客が追い越してゆく。というより、追い越す元気のあるランナーは、もうとっくに行ってしまって、私の周りは、落伍寸前のランナーばかりになってしまったようだ。自然と、雑談に花が咲いてしまう。アップダウンが多い。小ピークを越すたびに「山の名」を尋ねられる。いちいち名前なんか付いてません。「自分は走っているのに、あんたは歩いてて同じ速さなのは、どういうわけだ?」と、後ろから訊かれても答えようがない。
「蔦岩山」1004m から、武川岳の幅広い山容が真正面に見える。雑談に気をとられて写真を撮っておかなかったのは失敗だった。武川岳は、きょうの最高点だが、「ほうき平」という異名があるだけ堂々たるボリュームで鎮座している。
武川岳 1052メートル。
南方、名栗渓谷・飯能方面。縦走路をまっすぐに行けば↓、尾根伝いに「名郷(なごう)」バス停に至るが、時刻はもう2時半を回っている。秋の日は釣瓶落とし。山の中で真っ暗になるのは、あまり気持ちの良いものではない。エスケープルートで「妻坂峠」から下りることにする。↑地図では遠回りだが、コースタイムはほぼ同じ。峠回りのほうが、早く車道に達する。
妻坂峠への下りは、岩がちで滑りやすく、ちょっとした難所だ。
「ターシャリ・ザ・ヤンガ
ターシャリ・ザ・ヤンガ
ターシャリ・ザ・ヤンガ
マッド・ストン
あをじろ罅破(ひわ)れ
あをじろ罅破れ
あをじろ罅破れに俺の影」
新第三紀「マッド・ストン」(泥岩)ではなく石灰岩のようだが‥
↓高度が下がってくると、紅葉樹が目立つ。
妻坂峠 839m。道祖神がポツンと立っている。トレランの団体が秩父側へ降りて行くのと別れて、名栗渓谷側へ下山する。
車道に出合う 542メートル。右へ行くと「ウノタワ」:大持山~有間山の稜線へ。きょうは左折、「名郷」バス停へ向かう。
車道になったからって安心はできない。橋が崩落していた↓
タイムレコード 20201122
(1)から - 蔦岩山1405 - 1426武川岳1435 - 1459妻坂峠1505 -- 1515沢出合い(737m)1545 - 1605ウノタワ分岐点1609 - 1613水場1624 - 1711名郷バス停
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2日目の出発点は正丸駅、標高290m。武川岳から前日の下りをリベンジする。
線路をくぐって西側に出ると、しばらくは正丸峠へ向かう車道をたどる。
路傍の柿がみごとだ。
↓正丸峠分岐附近(写真は、来たほうを振り返っている)。ここで車道から離れて長岩峠へ向かう。
ここも、山裾は杉植林で、その上はコナラ、クリ、ホオノキ、エンコウカエデなどの雑木林。尾根筋にはアセビとモミが付く。
途中、伊豆ヶ岳方面へ向かう沢沿いの道と分かれ、さらに「ふたご岩」で折れて(直進すると行き止まり)、右の斜面を昇ってゆく。630m附近、雑木林の中に巨大な岩がある。私の古い1/25000地形図には「長岩(亀岩)」とある(なぜか、国土地理院の電子地図からは消えている)。「長岩峠」の名の由来は、この岩らしい。たしかに、亀にも見える。
↓尾根に出る 670メートル圏。木の間越しに、正丸峠~刈場坂峠の稜線が見える。
↓ちょっとした岩のあるピーク。ここが「亀岩」の上らしい。
伊豆ヶ岳~正丸峠の稜線と合流 720メートル圏。↓このピークには「大蔵山」という山名標が立っている。すぐ下が「長岩峠」。
「長岩峠」から横瀬川の谷に下りると、しばらくは車道歩きになる。「げんきプラザ」という施設の下を通過する。
↓奥のヘアピンカーブのかどから、沢沿いの林道に入る。そのあと、道迷いしやすい箇所を通過するので、次回に詳しくレポートしよう。
【つづく】
タイムレコード 20201123
正丸駅1010 - 1037正丸峠分岐点1045 - 1105ふたご岩1112 - 1132亀岩 - 1137尾根に出る1145 - 1153大蔵山(長岩峠)1200 - 1215長岩峠下(車道に出る)1227 - 1132ヘアピン(林道大栗沢線起点) - (3)に続く。