ピーテル・ブリューゲル(父)『種まく人のある風景』(1557年)
『れいわ新撰組』の前参院選候補者・大西つねき氏の発言が非難を巻き起こしている。
「命の選別すんのかとか言われるでしょ?命、選別しないとダメだと思いますよ。……その選択が政治なんですよ」
という同氏の発言が、相模原事件を起した障碍者(ほかマイノリティ,弱者,老人,etc.)抹殺の思想を助長する、あるいは弱者抹殺の優生学思想そのものだ、というのだ。
れいわ山本代表「処分に関しては総会で」――JCASTニュース
大西氏は3日の動画で、
「どこまで高齢者をちょっとでも長生きさせるために子供たち・若者たちの時間を使うのかっていうことは、真剣に議論する必要があると思います。こういう話多分、政治家怖くてできないと思うんですよ。命の選別すんのかとか言われるでしょ?命、選別しないとダメだと思いますよ。はっきり言いますけど。なんでかっていうと、その選択が政治なんですよ」
「選択しないでみんなに良いこと言っていても、現実問題として多分無理なんですよ。そういったことも含めて、順番として。これ順番として選択するんであればもちろん、その、高齢の方から逝ってもらうしかないです」
などと述べていた。
しかし、批判を受けて7日、こうした発言について自身の公式サイトで撤回と謝罪を行い、該当動画の公開を停止している。
同じ7月7日には、れいわ新選組も公式サイトを更新。山本代表の名義で、大西氏発言について、
「立党の精神と反するもので看過することはできない」
とコメントした。
一方で、大西氏の除名については
「根本的な解決にはならない」とし、
「多くの人々の心の中にもあるであろう何かしらかの優生思想的考えに、光が当たったことを今回はチャンスと捉え、アジャストする責任が私たちにはある」
「大西氏には、命の選別の問題に生命尊重の立場から、取り組んでいらっしゃる方々にレクチャーを受けて頂き、命について真摯に向き合うチャンスを与えたいと思う」
との考えを示し、大西氏に「レクチャー」を行うと説明していた。
さらに8日には「続報」をサイトで発表。改めて
「単に個人を処分すれば終わりにできるものではありません」
とした上で、インターネット上で公開されるレクチャーを受けるよう大西氏に伝えたとして、
「大西氏への最終的な処分に関しては、党の意思決定の場である総会において行います」
と明らかにした。
「可能な限り早い時期」に総会を開催するとしている。
↑この報道を読んで、納得したような気がしてしまったのですが、“NHK効果”だったようです。『れいわ』のHPに掲載された「コメント」と「続報」を見ると、この問題の重大さに対して、いかにも軽々しい印象をぬぐい切れません↓
大西氏の「優生学・選別抹殺思想」もさることながら、それ以上に重大なのは、『れいわ』という集団が、この問題を処理しきれるのだろうか?‥‥という疑問です。
大西氏について言えば、私は、その程度の人物でしかないことは、さいしょから分かっていたし、今後変るとも思いません(有益な「レクチャー」は私も受講したいと思うが、大西氏が視聴するかどうかはどうでもよい。知識は人間性を変えないから)。それでも、いまある日本のほかの政党のなかでは、ましなほうだと思うから支持していたにすぎません。まったく、この程度の人物を熱狂的に支持していた人たちの気が知れませんね。
しかし、「除名」(何からの除名???!!)するにしろ、「総会」を開くにしろ、『れいわ』には、正統に定められた《規約》というものがあるのでしょうか? 党員資格の定めがあるのでしょうか? 「総会」なるものを招集する権限は誰にあるのか? 誰が出席できるのか? どんな種類の人が何人出席したら、「総会」として成立するのか? すべてを、山本太郎一人が、その時々の考えで決めるのならば、《独裁》以外の何ものでもない。山本氏の言うことを、群衆が拍手で賛同して決まるのならば、それは真正の《ファシズム》です。
「総会」なるものの席上で、「立党の精神」(そんなものがあったと、今回初めて聞きましたがw)も明らかにされ、しっかりした《党規約》も制定される‥‥のかどうか、見守りたいと思います。
山本氏の都知事選立候補が、どうしても納得できなかったので、都知事選が終るまで支持を“お休み”していました。都知事選は終りましたが、すぐに支持に戻るのはやめて、もうしばらく『れいわ』のようすを見たいと思います。