ヘリット・ベルクヘイデ「ハールレムの擁壁と風車の眺め」
↓こちらにレビューを書いてみました。
【必読書150】スピノザ『エティカ』(6)―――
―――明るすぎる“理性の世界”。スピノザは?
スピノザは人間の認識能力を3つに分ける:
「想像力」「理性」「直観」
「想像力」は誤りやすいが
無いものを思い浮かべる能力は
人間の《自由》の現われにほかならない。
計算まちがえをする人は、
スピノザによれば
頭の中では正確に計算しているのだ:
ただ、紙の上にある数字が
頭の中にある数字と違うだけだ、
というのは
頭の中ではたらいているのは
《神すなわち自然》の直観だからだ。
「理性」は種類で思考するが、
「感情」は人類の数に
ものの種類を掛けた数だけある、
わたしの“喜び”は、あなたの“喜び”とは違う、
“愛”と“憎しみ”は対象ごとに違う。
「愛されている」という「想像」が“愛”を生み、
「憎まれている」という「想像」が“憎しみ”を生み、
“憎しみ”は憎みかえすことによって増大する。
“憎しみ”は相手の災いを願うが
相手が災いを受けている「想像」は
快感とともに苦痛をもたらす。
愛しながら憎むことを「残忍」という。
「怒り」とは、憎む相手に災いをもたらす
努力である。
「恐怖」は、災いをさけようとする欲望を抑えて
災いにとらわれようとする感情である。
「謙遜」と「後悔」は有害な感情であるが
教育によって植え付けられ習慣となる‥‥
こうしてスピノザは
“常識”にとらわれた人びとの
観念をくつがえし、
相互の誤信によって争い合う世界に
寛容と共同性をもたらそうとする。
温和で過激な《神すなわち自然》の倫理
今回は、
「第4部 人間の隷従または感情の力について」他