幻日環
 北国のそらはぼくたちに示した
 夏の終りのしるしを:
 いつもあったのにあんなに大きいとは知らず
 ぼくははじめて鏡に眼を向けた
 小さな水滴が氷るからあんなに見えるんだ、
 きみがそばにいたらそう説明するだろう
 ほんとかどうか知っちゃいない
 ただぼくと同じ夢を見てほしいから
 いまだってこのながい橋の上から
 あんな大きな輪に眼を向けるものはいない
 ぼくたちだって明日は見ていないだろう
 東雲いろの夏の終り
 橋の上の幻日環
 夏があったことさえ忘れてしまった
 すきとおった灰色の輪
 ぼくたちを映す鏡
 誰にも見られることなくいつもそこにある
 
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