絶対的な いま のソネット
いつも時は未来に向って流れているのに
ひとは時間の向きを錯覚する。
疾走することも滞溜することもあり
向きを変え向きを変え
蛇行と旋廻をくりかえしているのに
ひとは天体のような直進運行を幻想する。
いつもこの手とこの眼を逃れ去ってゆく
時を捕まえようと思うなら
こころを澄まさなければならない
こころに浮かんでは消えてゆくもの
それはみな残滓だ、時がふりすてた残りかすだ:
見えないもの
かぎりなく澄んだもの
いつもその正体を推しはかれないもの
なにかわからないがとてもぶきみで怖ろしいもの
ふしぎなもの
その流動する一点に向って
ぼくはいつも引きつけられている。
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