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      華麗なる円舞曲

 ショパンの舞曲が広間に鳴りさわぐ
 手綱
(たづな)の切れた野放図なダンス
 窓の外は鈍い曇りぞら
 萎
(しお)れた花冠がピアノを飾る

 きみはピアノをぼくはヴァイオリンを弾く
 弾
(ひ)いて弾いて終ることがない
 恐れながら待ちうけるきみとぼく
 どちらが先にこの魔法を断ち切ってしまうだろうか

 拍子の進行をどちらが先に止
(と)
 かがやく灯りを遠くに押しやるだろうか
 いったいぼくらのどちらが先に、その
 答えのない問いを口にするのだろうか。





 ショパンのワルツの中で、「華麗なる円舞曲(Valse Brillante)」という題名が付いている曲は、つぎの4曲があります。


 Grande Valse Brillante, Es dur, Opus 18 華麗なる大円舞曲 変ホ長調 作品18 【ワルツ集1番】

 Trois (Grandes) Valses Brillantes 3つの華麗なる(大)円舞曲:

 Valse, As dur, Opus 34 Nr.1 ワルツ 変イ長調 作品34の1 【ワルツ集2番】
 Valse, a moll, Opus 34 Nr.2 ワルツ イ短調 作品34の2 【ワルツ集3番】
 Valse, F dur, Opus 34 Nr.3 ワルツ へ長調 作品34の3 【ワルツ集4番】


 2・3・4番も、出版された時は「3つの華麗なる円舞曲」と題されていたのですが、今日では「華麗なる円舞曲」といえばワルツ集1番を指すのが普通で、2・3・4番のほうは「大」を取って「華麗なる円舞曲」と呼ばれることがあります。

 ヘッセが題材にしてるのは、4曲のうち、どれなのでしょうね? 順に聴き比べてみたいと思います。

 まず、「3つの華麗なる円舞曲」のほうから‥


 

フレデリック・ショパン、ワルツ 作品34の1 変イ長調
「華麗なる円舞曲」
(エウゲニー・キッシン/ピアノ)


 


 あのキッシンがワルツを弾くと、こーなるのか~ て感じの演奏でしたw ワルツてより、ポロネーズか、バラードか、とまごうくらいストーリー性豊かな、迫力にみちた演奏だったと思います。

 つぎは 34の2ですが、静かな短調のこの曲は、弦楽四重奏にアレンジしたものを聴いてみたいと思います。



 

フレデリック・ショパン、ワルツ 作品34の2 イ短調
「華麗なる円舞曲」
(ストラディヴァリ四重奏団)


 


 3番は、新進のピアニストに登場ねがいましょう。技巧的には4曲の中で最も難しいこの曲を、よく弾きこなしています。喝采!!

 有名な「子犬のワルツ」に対して、この曲は“猫のワルツ”とも呼ばれています。



 

フレデリック・ショパン、ワルツ 作品34の3 ヘ長調
「華麗なる円舞曲」
(サーシャ/ピアノ)

 

 

 

 

 

 




 



 つぎは、ワルツ集1番。ショパンのワルツの中で、もっとも早く発表された曲だそうで、技巧的にはそれほど難しくないのですが(わたくしも、いちおう弾けます)、易しいわりに、聴いてるほうにはいかにもウマそうに聞こえるので、ピアノを弾く人にとってはオトクな曲ですw


 

フレデリック・ショパン、ワルツ 作品18 変ホ長調
「華麗なる大円舞曲」
(ヤン・リシエツキ/ピアノ)


 


 以上で4曲聴いてみましたが、さて、ヘッセの詩は、どれでしょうね?

 早くやめたいのに、ふたりとも自分からやめようとはしない、短調のものういメロディーが延々と続いてゆく3番か?‥‥

 それとも、急速に旋回するワルツの流れに引きずられて、どこまでもどこまでも連れて行かれてしまうような1番か?

 ギトンは、2番ではないかと思います。次々と目まぐるしく曲の表情が変わり、新しい世界が開けてゆくこの曲は、ピアノとヴァイオリンのアンサンブル、どこまでもつづいて行こうとする恋の道行き、しかしいつかは終りになる予感が次第しだいに高まっているのに、どちらからもそれを言い出せない不安の焦燥を想わせないでしょうか?



 ところで、キまじめなクラシックの演奏がこれだけ続くと、なんだか、いたずらしてみたくなっちゃうんですよねw

 ‥というわけで、ジャズ・アレンジしたのをちょっと聞いてみたいと思います。もと曲は1番ワルツです。



 

ショパン、ワルツ 作品18
「華麗なる大円舞曲」(ジャズ・ヴァージョン)
(バンダ・デ・ジャズ)

 



 おつぎは、ロック・ヴァージョン。しかし、モタモタしてますねえ。。。 おまけに4拍子になっちゃってる。ギトンは、クラシックのロック・ヴァージョンを聴くといつも思うんですが、もとのクラシック演奏のほうが、ずっと迫力あるんだよねwww

 おまいら激しさが足りねえんだよ、激しさが! ‥ちゃって...



 

ショパン、ワルツ 作品18
「華麗なる大円舞曲」(ロック・ヴァージョン)



 



      ただよう木の葉

 わたしのまえにどこからか
 いちまいの枯葉がふきよせる
 旅をすること、若くあること、愛すること
 みな時季があり終りがある

 吹く風のおもむくままに
 あてどなくさまよう木の葉
 湿った森の底でようやく停まる……
 どこへゆくのか、
わたしの旅は?



 

 

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