10月に思うこと

 

私は10月が誕生月なので、
10月は1年が一周してきたことを感じるかと言ったら
誕生日に対して特に感慨深いものはなくて、

10月というか、秋は20代の頃は
ソワソワして、漠然とした不安に襲われて、
精神的にも安定しない日が多く、鬱気味で
とても好きではない季節だったというのを今思い出しました。

私は大学を卒業した後、
就職しないといけないという考えにならず、
就活はしたけど、就職できなくてラッキーだと
思ってました。

当時は就職氷河期で、就職できても
ブラック企業だったり、おかしな会社しかなくて
スーツも着たくなかったから私にはちょうど良かったです。

バイトして、なんとか暮らしていて、
スタジオでバイトして、やっぱミュージシャンになりたいと思い始めたのが24歳。

夢みたいなこと言うなと、友達にはやめておけと言われたけど、
それしかやりたいことがなくて、ギターはずっと弾いていた。
中学からギター弾いてたからね。

それで、デモテープ作って
スタジオに来た有名なバンドの人や歌手に配っていたら、
大御所の方に声かけられて、ゼップ東京のイベントに出してもらった
そこでプロの実力と、自分の足りなさに気が付いた。

でも、先が見えた気がした。自分の方向性とか
するべきことがはっきりと分かった。

当時7年付き合ってた彼女は、早く結婚して子供が欲しかったらしく、
25歳になったら就職して結婚という約束だったけど、
私はギター弾いていたくて、それで別れた。

かわいそうだったと思う。
でも、私はまだ若くて、音楽を辞めて就職しないといけないというのが
納得できなかった。

でも今は当時の彼女の焦る気持ちがわかる。

子供を産むのも年齢がかかわるし、周りでは同級生がどんどん結婚して
子供を産んでいた。そういう気持ちが理解できなかった。

周りで音楽をしている友達も、どんどん辞めていき、
皆まっとうな社会人になり、家庭を持っていく中で
私も焦りはあったけど、ひたすら楽しかった。
ずっとピーターパンだった。

それで好きだったバンドの
某歌手の秋のツアーに帯同することができた。
それで数年ミュージシャンをやって
音楽を辞めて結婚して子供が生まれて今になる。

今は秋は好きだ。
涼しくて過ごしやすくて、20代の時のような
不安に襲われることはない。

20代に好きなことをやり切った感はあるけど、
30歳から40歳までが、そのツケを払うことになり
ものすごく苦労したから空白になっている。
 

でも、後悔はしていない。

皆が社会にもまれて、役職が付いて
結婚して、家や車をローンで買うとかしているころに

私は、日本中を移動して、現実から遠いスポットライトの当たるステージで
黄色い声援を浴び、混沌の客席を眺めながら
ギターを弾き、打ち上げで泥酔していた。最高じゃないか。

今また、時間を取り戻して
楽しく過ごせているからよかったよ。
ただ、あの頃をいい思い出にして終わりにはしたくなくて

もう一回夢を見ても良いかなと考えているけど、
何かを捨てて手に入れるような夢じゃなくて、すべてを手に入れたい。

 

 

 

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