プロとして、お金をもらってギターを演奏する最初の仕事が
アーティストのワンマンライブでした。
まず、曲をもらい、譜面におこします。
ドレミまでかかなくとも、簡単に譜割りして、
キメや大事な部分をメモします。
演奏曲は23曲。
結構ボリュームがあります。これまで対バンのブッキングで
5.6曲が普通だと大変な数です。
プロのリハーサルは基本的にライブ前に1回です。
要するに、リハまでに完璧に弾けるのは当たり前で、
リハでは1回通して流れをつかむ。そんなところです。
それまでに何をするかというと、
ひたすら曲を聞き込みます。
このときはバイトしていたので、移動中の電車とか
家では常に曲を流して体に入れ込みます。
個人練習のスタジオで、エフェクターの微調整など、
家での練習じゃわからない「でかい音出したときの状態」を
確認してリハーサルに挑みます。
当時よく言われたのが、
「100%弾けて当然なんだよ、
それ以上の何かを示すのがプロなんだよ」
これがなかなか難しい。
私は、あまり自信がなかったけど
プロの音は説得力があります。
一音だけでも、主張とか個性とかパワーがあります。
プロの世界に入って、私はそういうものに圧倒されました。
しかしそういうものを感じるのはきまって同業者ではなく、
スタジオ系のおじさんたちから感じました。
同業のギタリストから感銘を受けたことはない。
それだけ昔の人はすごいということです。
たまに若い人でもYOUTUBEなんかですごい光を放つ人がいます。
そういう人というのは、自分の信念を曲げずに
学校とか勉強とか進路とかそういうものをほったらかして
絶対にプロになるという思いの元にギターばっかり
弾いてきたんだろうなと感じます。
結局、ギターで食うという思いをもって、がんばるんだったら
大学とか就職とかバイトとかの保険をかけずに
ひたすら弾きまくってきたやつがかっこいい音を出すんだよね。