さて、長く書いてきましたがいよいよラストのボブ宴!ブログです。

今回は一人2役3役と活躍してくれた劇団員。まあ、身内のことをあまり書くのも小っ恥ずかしいのでサラサラっと書いていきます。

 

○八重樫圭・先生・丸山正吾役:丸山正吾

八重樫圭という役、実はものすごく難しい役なんですよね。なかなか伝わりづらいかも知れませんが。途中がね。静かながらも常に観客に引っ掛かりを持たせ続けないといけない役。弱すぎず、強すぎず。ラストの方の感情の見せ方は流石。圭の背負ってきた十字架の重さを見事にそしてソリッドに表現していました。今回は悠ちゃんへの見えない演技のアドバイスや、「目を閉じておいでよ」の物語の見せ方など演出面でも相談に乗ってもらいました。オムニバスでは変態先生でも活躍。ということで今回も看板俳優の座は死守!

 

○千野真夏・女・民本しょうこ役:民本しょうこ

千野真夏、実はとんでもなく難しい役。民本だから成立していた部分もあるような役でした。年々安定感も増してきています。演出へのレスポンスもメチャクチャ早くなってきています。が、小さくまとまることなく、ちゃんとモンスター女優であり続けるところも純粋にすごいなと。「目を閉じておいでよ」と「ボブオムニバス」でのギャップ。爆発的な感情表現も健在。何より、今回はハチャメチャだったり、でも大人だったり、本当に真夏という役を豊かにしてくれていたかと。ということで民本もしっかりと看板女優を死守!あ、うちはスキを見せると看板が入れ替わるシステムです笑。

 

○腕枕夢太郎・勇作・渡辺宏明役:渡辺宏明

今回の公演、というか今回のイベントで最も株を上げた男。ハレルヤ独唱は私の中で劇団の歴史に名を刻みました。今回、何気に夢太郎のキャラクターというか性格的な部分の表現に苦労していましたが、本番ではしっかりフィックスしてくれました。ただ…、彼の本当の面白さを私はまだ引き出せていない。メチャクチャ面白い男なんです。ただその面白さがフィクションで活きる面白さではなく、ドキュメンタリーで活きる面白さなんです。しかし、必ず活かす方法を考え出してみせます。

 

○久万風太・子供・古暮五太郎・小島ことり役:小島ことり

今回もいい味出してました。特に「目を閉じておいでよ」では本当に頼りになる、いい仕事してるな〜と感心しておりました。演出にアレンジを加えたときのレスポンスの速さとアレンジ力は驚異的。このキャラクターですからね、今、うちで一番商業系の舞台に出てるんじゃないでしょうか。それも我が劇団員のことながら納得です。進化を続けるデブ役者。今、最も丸山正吾の看板を奪い取る可能性がある男。まあ、属性が違いすぎるので絶対バッティングしないのですが笑。

 

○大関時彦・大関時造・蜂巣和紀役:蜂巣和紀

今回、ことり同様になんと頼もしいと思ったことか。「目を閉じておいでよ」がどよんとしすぎなかったのは、ことりと蜂巣の功績が大です。鉄のハートを持った男。そういうネタ的な部分に目が行きがちですが、メチャクチャ安定したお芝居をする男なんですよね〜。今回もほぼブレなし。座組の雰囲気も良くしてくれるし、様々な面で頼れる男。そして、舞台袖でもみんなの演技で涙してしまう、心優しき男。自分で作・演出もしてるし、マジでいつ寝てるの?と思ってます。バイタリティーと活力が結婚したらこんな人間が生まれるのでしょう。

 

○牧江美香・子供・おばちゃん・七海・池澤汐音役:池澤汐音

今回、唯一、全作品に出演した汐音。稽古中は頭からいつも湯気が出ていました。稽古中にセリフが飛んだりとか、汐音にとってはとても珍しいのです。まあ、今回の作品を通じて一段階も二段階も成長を遂げてくれたことでしょう。本当に成長が著しい。今回は松本さんにも色々指導されていたので更に成長した感じがします。色がないようでちゃんと色がある女優になってきてますね〜。とてもいい感じです。さあ、これからどれだけ民本の看板を脅かす存在になれるか?まだ若いですし、期待して見守っていきます。

 

○林田聖史・子供・太立健役:太立健

今回の公演で「ボブジャックに太立あり」を存分にアピールできたのではないでしょうか。それほど彼の演じる林田は凄まじかった。結構、難しいこと要求していたんですけどね、何度目かのチャレンジで超えて行ってしまう。色々な役をこなせる丁度いい見た目もこれからの役者人生では武器になるでしょう。まだちょっと肩に力が入ってしまう時があるので、もう少し熟成してくれば更に輝きが増すことでしょう。おでこの輝きに比例して。これも彼の武器ですからね。とにかく、また頼もしいメンバーが増えたなあと強く感じた公演でした。

 

○守山カオリ役:片岡由帆

今回はオムニバスのみ出演で、私の仕事を手伝ってもらった片岡。劇団公演をやる上では、様々な意味でいてもらわないと困る存在。今回の守山役も本当に守山の特徴をよく掴んでいて、時々、本気でイラッとしました笑。追い詰められて反論してくる感じとか本当にそっくりでした。私の怒りの炎にガソリンを注いでくる感じが。今回も色々と頼らせてもらい、ありがとう!

 

あと、宮井矢印いっぱいと的場司も日替わりゲストで出演してくれました。育休中の壁ちゃんを除いて、劇団員が久しぶりに集結して、私はとても嬉しかったよ!純粋に舞台上が楽しかった笑。

 

 

というわけで、ボブ宴!の振り返りブログはこれにて終了になります。本当にたくさんの関係者様やお客様に支えられた公演でした。まだまだ予断を許さない状況が続いておりますが、演劇というものが衰退して行かないよう、今年も全力でやれることをやっていきたいと思っております。皆様もご事情の許す範囲で私共演劇人にお力を貸していただければと思います。ボブ宴!の感想で「2020年は色々あったけど、最後にボブ宴!を観れて良かった」というものがありがたいことにとても多かったのですが、本当に励みになりました。嬉しすぎました。

本当に2020年は色々と考えさせられた年でした。正直な話、非常事態において演劇をはじめとするエンターテイメントは何も役に立たないものではないか?という疑問が頭をよぎったこともありました。しかし、色々な意見、特に演劇ファンの皆様のお声に本当に力をもらいました。確かに、非常事態でのエンターテイメントの優先順位は低い。これは紛れもない事実です。しかし、だからといって途絶えさせてはいけないものだと思っています。物質的にだけではなく、大衆的にも文化的にも豊かな社会のためには、エンターテイメントや芸術は必要だと信じています。…なんか偉そうな言い方になってしまいましたね、すいません。やっぱり楽しいこともないと人生つまらないですもんねっ!変化を受け入れつつも、社会の一員として感染対策もしっかりと行い、やれること・やるべきことをこれからも発信していきたいなと思っています。

2021年もなかなかなスタートとなりつつありますが、これからもボブジャックシアター、並びに劇団員、そして演劇をよろしくお願いいたします!これにて「ボブ宴!」終幕!