扇田賢のガリガリ日記「只今42キロ」

扇田賢のガリガリ日記「只今42キロ」

日々精進。一歩一歩前へ。

舞台演出・役者のブログです!


Bobjack theaterという劇団に所属しております。都内を中心に活動中!劇団では演出とちょい役を担当しております。最近は様々なプロデュース公演にて演出もやらせて頂いております。


このブログでは、演出した舞台の裏話やお得な情報などアップしていきます。過去のブログにも様々書かせて頂いておりますので、ご興味も持って頂いた方は是非ご覧下さい!



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では、張り切ってキャストについての続きを書きたいと思います。

 

◯原田さよ役:羽原由佳さん

今回初舞台組のお一人。いやいや、嘘でしょ?というくらい堂々たる演技でした。むしろ稽古のはじめの方からしっかり声も出してセリフも言えていたし立ち姿も堂々たるものでした。セリフのニュアンスとか演出つけた部分もすぐにできるようになったし、お芝居の勘は素晴らしいものがあるかと思います。例の「よせやい!」は苦戦しておりましたが、本番では素晴らしい「よせやい!」を連発しておりましたね。途中のキリッとした勝気な演技も、終盤の方の感情を爆発させるシーンも非常に良かった。何より本番を通じてずっと安定してお芝居ができていたのは特筆するべき点ですね。初舞台の子というのは日によって出来不出来が明確に出る場合があるのですが、彼女はそういう部分が一切なかった。本人にとってはもちろんあったでしょうが、合格点を超えての本人的な出来不出来は演出サイドからは全然OKですからね。しかもまだ高校生ですからね。これからが非常に楽しみな子です。本人もお芝居をずっとやりたいと思っていたようだし、今回の出演を機に、ますます演技への興味が高まってくれていたら嬉しいなあ。今回の舞台での最終到達点の演技を次回の機会では最初から出せれば加速度的に素晴らしい女優さんになれるかと思います。是非続けてほしいなあ。

 

◯高杉晋作役:寺田真珠さん

彼女は初舞台から一緒で今回で4回目?ですかね。初舞台の時はとにかく自由にやれるように演出をしたのですが、それ以降は常に課題もしくは新しい演技をできるような配役にしてきましたが、今回のテーマはいかに大人っぽくかっこよく演技できるかでした。素晴らしかったです。稽古中は苦戦をしていた部分もあったのですが、彼女は出した課題を必ずクリアしていく。手に取るように毎回成長しているのがわかる。これは演出する立場としては楽しいことこの上ないですね。

この大人っぽくという演技は実はなかなかに奥が深いのです。大人っぽくセリフを言ったり、大人っぽい立ち振る舞いをしたりするというのは練習を重ねればできるようになるものかもしれませんが、「大人っぽい反応」や「大人っぽい感情移入」というのはなかなかに難しい。アクションではなくリアクションの部分。リアクションというのは思わず出るものなので、そこを意識的に変えるのは難しいのです。その部分を指摘してすぐにできるようになったことが、私的には今回の最大の褒めポイントです。今までは「誰かに影響をされる」という役が多かったのですが、今回は「影響を与える役」。しかも大人として。かっこよくセリフを言っていたことよりも、その部分が本当に成長したなと思います。次はどんな役をしてもらおうかなあ。

 

◯武田にこ役:鈴木花穂さん

デッドリーパラドックス以来なので2年ぶりですかね、ご一緒したのは。いや~2年前とは別人。本当に演技者として成長したなあと感じました。泣き虫さんなのは相変わらずでしたが笑。今回は彼女らしいふわっとした部分も出しつつ、激しく行くところ、感情を思いっきり出すところなども本当にしっかりできていました。演技についてはほぼ何も言ってません。最初から求めているものを出してくれ続けたという印象です。声も大きいし、キャラとしての輪郭もしっかりしているので非常に印象に残ったなと。お芝居以外の部分だと、彼女は非常に人懐っこく、誰とでも積極的に絡んでくれるので、座組にいるとキャスト間のコミュニケーションが円滑になります。も、もしかして座組のために頑張ってそういう役所をやってくれているのか!?まあ、元々そういう子なのだと思いますが笑。意識しているにせよ無意識にせよ、非常にありがたい存在ですね。

声と雰囲気が特徴的なので「この役、花穂ちゃんだな」と配役がとてもしやすい。花穂ちゃんっぽい演技がもう少し確立してくれば、裏切りの配役・演技も可能になってきますが、今回の演技っぷりを見たら、次回は全く想像できないような役をやってもらうのもありだなと思いました。それほどの成長を感じさせてくれました。今後も非常に楽しみですね。

 

◯ミツ役:花梨さん

いや~、やっぱり花梨ちゃんはいいですね。演技やキャラ造形に思い切りの良さが出ているので本当に見ていて爽快。私の演劇仲間も、並みいるキャストの中から花梨ちゃんを一番褒めていました。今回のミツでは、花梨ちゃんっぽい愛らしい演技からかっこいい大人っぽい演技、そして感情的な演技も見せてくれ、キャラクターに非常に厚みがありました。シーンや場面によってコロコロ演じ分けられるようになっている部分に、もの凄い成長を感じます。まだまだ若いですが、キャリア的に難しい役に当てられる機会も出てくるでしょう。是非、いろんな役にチャレンジしてもらいたいですね。花梨ちゃんは演出していて面白いので、ついつい色々な演出をつけてしまうのですが、今回は私が何か演出をつけなくても、積極的に自分発信で色々なことをしてくれていました。そういう部分にも大きな成長を感じます。最近は大人っぽい雰囲気も出てきていますし、今後女優として次のステージに行くのではないでしょうか?振り返りブログでも言ってきておりますが、大人の座組へもどんどん進出していってほしいなと思います。今の花梨ちゃんなら十分にやっていけると思うのです。更に飛躍した花梨ちゃんを本当に見てみたい。私も機会があれば、是非大人の座組に召集したいなと思っております!

 

◯シュウ役:渡辺菜友さん

まだ若いながら貫禄も出てきた彼女。今回のテーマは「大人っぽくイケメン」でした。何度も一緒にやっていますが、今回はセリフの言い方などほぼ何も指示しなくても自分で考えてやってくれておりました。脚本を読み解き、そのセリフをどういう感情で言っているかだけではなく、そのセリフがシーンや物語に与える意味なども把握した上で演じてくれていたように思います。役者脳が以前に比べて確実にアップしておりますね。後半の怒涛の展開、まずテンションや迫力のスイッチを入れるのが陸奥宗光と勝海舟。そして感情のスイッチを入れるのが菜友演じるシュウだと私は考えておりましたが、毎回、その感情のスイッチをしっかり入れてくれておりました。若い座組は、良くも悪くも周りの演技に影響を受けることが多いので、スイッチ役がしっかりスイッチを入れないと周りもなかなかスイッチが入らないということがよく起こるのですが、確実にスイッチを入れてくれていたと思います。そう言った部分にも彼女の確固たる成長が伺えます。シュウが死ぬシーンで、本来ならば自分の感情をメインに演じたいところですが、リュウのために優しくも厳しく叱咤して力尽きるシーンは素晴らしい演技を見せてくれました。彼女も花梨ちゃんと同じようにもっともっと大人の座組で更なるステップアップをしていくべき女優さんだと思います。益々の成長を期待してるぜ!

 

◯岡田以蔵役:高瀬川すてらさん

もうね、この人には頭が上がらない。キャストとして演技でみんなを引っ張ってくれ、そして演出助手として座組を引っ張り、色々なところまで目を配ってくれたお人。「神速」と噂になった剣さばき。本当に素晴らしかった。すてらさんと太陽くんの大人組二人が確実に作品の、座組のクオリティを上げてくれました。すてらさんの熱い演技に引っ張られるようにひなりちゃんの演技もぐんぐん熱を帯びていったし、こういうお人が一人座組に入るだけで本当にありがたい。若いキャストにとっては最高のお手本なんだと思います。もちろん演出助手としても私をしっかり支えてくれていましたし、感謝しかありません。にしてもなんですか?あの殺陣のかっこよさは!まさに男性顔負けの殺陣。彼女の演じた岡田以蔵も今までにないような岡田以蔵だったのではないでしょうか?コールマスターや学生たちを暖かく見守るような側面を見せたと思ったら、最後ストリーマーズに乗っ取られた時は「人斬り」の凶暴な側面も見せ、本当に豊かな岡田以蔵だったと思います。普段は関西方面でご活躍されている女優さんですが、これからは東京方面でもバシバシご出演されることになるでしょう。本当に素晴らしい女優さん。あなたが座組にいてくれて本当に良かった!また是非ご一緒しましょう!

 

◯沖田総司役:新貝紋加さん

今回のMVPといっても良い活躍をしてくれた新貝さん。殺陣、お芝居と一番ハードな役だったのではないかと思います。沖田総司のような役って実は難しいと思うんです。何を考えているかわからない不思議な人物。こういう役を演じる時って、下手したら「演じてる役者が気持ちよくなっちゃってる」パターンに陥ることが多いのですが、彼女はそのあたりのバランス感覚が抜群でしたね。非常に良い意味で掴みどころない感じを演じてくれていました。明るさ、柔らかさ、強さ、恐ろしさ、様々な側面を舞台上でコロコロと演じ分けてくれていました。長刀二刀を使った殺陣も本当に大変だったと思います。あと、やはり芝居に対する姿勢がとても良い。まだ非常に若い女優さんなのですが、本当に末恐ろしいですね。オーディションで彼女を見た時、是非彼女を沖田総司にしたいとお願いしましたが、本当にその時の自分を褒めてあげたいと思います笑。SETさんに所属されたばかりで、これからバシバシ活動されていくものと思われますが、次はどんな役を演じてくれるんだろうと、ワクワクさせてくれる女優さんですよね。SNSの感想にも「沖田総司が良かった」というご意見がたくさんありましたが、本当にみなさんお目が高い!演出する側も共演する側もそしてお客様も魅了した彼女に心より拍手を送りたいと思います。またご一緒しようぜ!

 

というわけで、今回はこの辺で!


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さてさて、今回は『降臨ハーツ』の世界を彩ってくれたキャスト陣について書きたいと思います。

沢山いましたのでね、ちょいと時間かかるかもしれませんが。

みんなの今後の活躍と成長を祈ってエールを送る意味で書かせていただきますー。

 

◯沖田つかさ役:飯野雅さん

今回、座長を勤めてくれた飯野さん。多くのキャストが「今回の座組、ものすごく雰囲気が良かった!」と言ってくれておりますが、それは彼女が座長だったということが大きな要因だったと思います。時にはおバカに、そして熱く演じるその姿でしっかりと座組を引っ張ってくれました。小屋入りした日、キャスト陣が集合した時にキャストを代表してスタッフ一同に今日からお世話になります的な挨拶をしていました。まだ若いのに本当にしっかりしてるなあと感心したものです。かと思えば、みんなの前でバカなことをやったりとムードメーカーにもなってくれ、本当にありがたかった。

沖田つかさは非常に難しい役でした。最初、一見悪者のような描かれ方をしますが、実は心の底では物語の世界に疑問を持っており、流れに翻弄されるようにその立ち位置を変えていきます。しかし、彼女の中には「学園(世界)の治安を守る」という責務が常にあり、何が正しくて正しくないかがわからないような状況下でも必死に自分というものを保とうとする。ある意味、一番弱い人間なのかもしれません。拠り所を失った時に最も崩壊してしまうタイプの人間。彼女は抗い続けます。しかし、その先に待っていたものは、とてつもない喪失感でした。最後、沖田総司に「終わらせようか?(殺してあげようか?)」と言われます。あきらたちに出会い、戦いに遭遇する前のつかさであれば、終わらせる選択をしていたでしょう。しかし、彼女は生きる選択をします。この先どんなに辛く悲しいことが待っているかもしれないが……。つかさの選択した「それでも生きる」ということが、この物語が示すある種の生命の讃歌でした。

ね?自分で書いていてもなんて難しい役なんだと思います。本人も苦戦していたようですが、日に日に沖田つかさに迫っていきました。彼女の最大の武器はレスポンスの速さとカラッとした性格でしょう。非常に演劇向き。稽古をしていて少し女子っぽいところが出たら「女子出てるよ!」と注意。それに対して「わっかりました!」とカラッとレスポンス。非常に演出しやすかった。苦戦していたように見えた彼女が、稽古終盤ではかっこいい、ラズアズール隊長に変貌しておりました。稽古当初とは本当に別人の演技をしている彼女が舞台上にいました。稽古を通して、最も変わった・成長したキャストの一人だと思います。短期間でのこの変化。今後のさらなる飛躍が楽しみですね。

 

◯大江戸まつり役:野口真緒さん

野口さんは若くしてたくさんの経験を持つ女優さん。稽古当初からかなりのクオリティの演技を見せ、座組を引っ張ってくれました。役作りに関してはほぼほぼ彼女に全面委任しました。任せて安心!だって、本当に稽古の最初の段階から、その役を深く考察しなければ出てこないようなセリフの言い方や表現をバシバシ出してきてましたから。少しだけ、本人が悩んでいたところも、アドバイスをしたら次の稽古からはそれをものにしてくる。レスポンスも早いし、本当に素晴らしい女優さんだと思います。脚本を読んで、その役を構築する勘というかセンスが抜群なんですね。演技的ミスもほぼしない。だからと言ってただ安定感があるだけで女優さんではなく、パーンとやりきる爆発力も持ち合わせている。なおかつ、繊細な感情表現も素晴らしい。ホント、完璧か!と言いたくなります。ダンスもうまいですしね。スーパーハイスペック。その中でも私としては、やはり彼女の繊細な感情表現にものすごく惹かれました。今度ご一緒する機会があるときは、ストレート芝居で存分にその感情表現を発揮できるような作品で演出してみたい。もっと彼女に負荷を与え、グッとしたところで彼女から出てくる表現を見てみたいです。またまた、お気に入りの女優さんが増えました。ご一緒できる機会がきますように!

 

◯岡田いちか役:青葉ひなりさん

青葉さんは、自身が所属しているグループの活動も忙しく、そんな中で本当に頑張っていました。演技経験がなかったわけではないようですが、前回舞台に出てからかなり時間も経っていたみたいで、正直最初の頃は「だ、大丈夫かな」と思っておりました笑。ただ、彼女の独特の雰囲気や声が本当に岡田いちかという役にはまっていたので、うまくいけば絶対に良いキャラクターになると信じておりました。一つ一つ課題をクリアしていき、最終的には私の予想を遥かに超える岡田いちかになってくれました。普段のふわっとした彼女からは想像できないくらい向上心も高く、稽古が終わった後や本番中も「もっと上手く演じるためにはどうしたら良いですか?」と度々私に聞いてきたりもしていました。内に秘めた闘志は素晴らしいものがあります。彼女の最大の魅力は、独特な雰囲気と佇まい、そしてこれまた独特の声でしょう。演劇的なボイストレーニングや発声をもう少し学べば、彼女にしかできない役の造形が可能になると思います。いや~、非常に面白い存在ですね。グループ活動と女優活動を並行して行っていくのは大変かもしれませんが、やはり演劇人としては是非舞台も続けて欲しいなと思います。高瀬川すてらさん演じる岡田以蔵とのバランスというか凸凹コンビ感が秀逸でしたね。マイナスイオン出まくりの青葉さんが、最後の方で必死に叫んだり、感情を爆発させたりするシーンは毎回私も見ていてグッときておりました。間違いなく、最も成長したキャストの一人です。また、ご一緒できるといいね~。

 

◯西郷あきら役:橘はるかさん

本当に勘の良い子。これが2回目の舞台とは思えない安定感とステージ度胸。彼女はほぼミスがありませんでした。オーディションでお会いした時に「うわ~、西郷あきらがいる!」と思ったほど、今回の役にぴったりだったと思います。どうやら、私は彼女の演技に弱いらしく、稽古中から西郷あきらが必死に話していたり頑張っていたりする姿を見るとなぜだか目頭が熱くなりました。声も本当によく通るし、良い女優さんが出てきたな~と思います。今後、舞台に立てば立つほど、彼女は加速度的に良くなっていくことでしょう。色々な役所に挑戦して、是非演技の幅を広げていって欲しいですね。

小さな体を目一杯使った演技や明るくも切なくも聞こえる声、嘘のない感情、本当に色々な良さを持った彼女ですが、私が特にすごいなと思ったのが「客観視できる」能力。稽古中からそうだったのですが、彼女は役に入ってグッと演じている時も、冷静なもう一人の自分がいるんです。もしかしたら、本人はそれを無意識にこなしているのかもしれませんが、これはお芝居をしていく上で本当に重要な能力。北野たけし監督が役者の難しさを「どんなに役に入り込んで演じていても上空からそんな自分を見ているもう一人の自分がいないといけない」それはある種超人的…みたいなことをおっしゃっていましたが、彼女はそれをやっているように感じました。本人に確認したわけではないのでわかりませんが、それを感じることが多々ありました。もしかしたら、とんでもない女優さんになるかもしれませんよ~。楽しみな逸材!

 

◯西郷隆盛役:山本太陽さん

今回、最後に出演が決まった太陽くん。いや~、太陽くんが座組に入ってくれて本当に良かった。一家に一台、山本太陽!いてくれると座組が締まる。ムードメーカーにもなってくれるし、個々の出演者にアドバイスしたり注意したり、本当に恩恵が多岐にわたる。演技についてはほぼ何も注文しておりません。綿密なリサーチによる役の造形は今回も健在で、今までにない新しい西郷隆盛像を作ってくれたと思います。あんなにもかっこいい西郷隆盛、見たことありますか笑?。上野の銅像からは想像もできないような役作り。でもちゃんと西郷隆盛に見えるからすごい。

今回、座組の平均年齢が若かったこともあり、太陽くんや高瀬川すてらさんのような大人組がしっかりと座組を締めてくれていました。やはり、楽しく明るいだけでは座組はいつかバランスを崩してしまう。大人キャストがいることが座組に安定をもたらします。私も当然全てを見れるわけではないので、私の知らないところでも座組に大きな良い影響をもたらしてくれていたのだと思います。にしても、今回も大人の迫力と大人だからこその余裕とチャーミングさが遺憾なく発揮されておりました。なんなんでしょうね?あの説得力は。西郷隆盛は劇中で色々な提案や考えを述べるシーンがあるのですが、非常に説得力がありかつそれをテンポよく伝えてくれるので見ていて安心感しかありませんでした。橘さんのとバランス・相性も抜群でした。存在自体が、座組と作品のクオリティをあげてくれる。また是非ご一緒したいですね。

 

◯リュウ役:増田みなみさん

なんとも言えない舞台上での落ち着きと懐の深さ。特に何かをしているわけではないのにオーバーロードのリーダー感がすごかった。普段はおっとりしたマイナスイオン出まくりの子なんですけどね。舞台上での頼り甲斐が半端なかったと思います。リュウは説明台詞が多かったので、台詞をしっかりとわかりやすく、キーワードを立て言って欲しかったのですが、そのあたりの演出もすぐにレスポンスをしてくれ、やりやすかった~。そうなんです。今回の世界観の水先案内人はリュウだったのです。増田さんの演技が安定していたので今回の公演は多少のできの差はあったものの安定した回が多かったのだと思います。そういう「説明」部分での演技のクオリティは稽古後半から本番を通じて非常に安定していました。本番に入ってからはその安定した演技にかっこよさや感情的ゆらぎも入り、素晴らしかったと思います。公演中のツイッターでも呟いたのですが、私はオーバーロードメンバーの話にものすごく弱かった。彼らは凄惨な戦地から逃れてきた人々。ここからは僕の想像であり勝手な妄想です(役の年齢設定なども無視)。リュウ、シュウ、ミツは、ストリーマーズの攻撃で仲間たちが次々と命を奪われる中、命からがら逃げ延びます。そして別の時空へ行こうとしたその矢先、戦火の中、座り込み泣きじゃくる小さな二人の女の子に遭遇。ハンナとクラリスです。彼女たちはまだ幼く、殺戮された両親の遺体に寄り添って泣き叫んでいます。3人は身の危険を顧みず、幼い二つの命を救い出します。そして、彼女たちを連れ、別の時空に逃げ込みます。ハンナとクラリスを守りながらも、時空を転々とし戦い続けるオーバーロードの3人。そんなある日、大きくなり、自分の意思を持ち始めたハンナとクラリスが、自分たちも戦いたいと訴えてきます。戦いを教えることは二人を危険な事態に巻き込む恐れがある。リーダーであるリュウは葛藤します。しかし、二人の意思を尊重し、二人にオーバーロード内での役割を与える。役割を持つ、それは絶望した二人が再び自分たちの足で立ち上がるためのものでもあった…みたいな想像をしていたので、彼女たち全員がいつか幸せになってほしいと思って見ていました。物語中盤、坂本龍馬が「自分たちの世界を奴らに攻撃された」的な発言をしている時の、ハンナとクラリスがキュッと縮こまって話を聞いている様がなんとも切なくて…。おっと話がそれてしまいましたね。

影のMVP的な役割を果たしてくれたキャスト、それが増田みなみさんでした。ナイス安定感!

 

◯坂本龍馬役:真島なおみさん

とにかく存在感!役としての存在感ももちろん素晴らしかったですが、彼女は普段から存在感がすごかった。オーラというやつですかね。いわゆる持ってる人なのだと思います。

存在感やオーラというものは演出をつけられないものですからね。すごいことだと思います。もちろん、経験を色々重ね、どんどんオーラが出てくる人もいるかとは思いますが、弱冠20歳にしてあの存在感は純粋にすごいと思います。まだ20歳なのにあの存在感だから、多分いろんな現場でもっと大人だと扱われることが多いのだと思うんです。持って生まれた宿命ですね。大好きな映画スパイダーマンシリーズに「強大な力を持つものは、その分責任も生じる」的な言葉がありますが、そんな感じなんだと思います。だから私たちの知らないところでは色々と苦労もあるんだろうなと。だからこそ、年齢的にも大人になっていき、自分の存在感と年齢的なものが近づいてくるこれからが、彼女の本当の輝きが発揮される時期なのではないかと思います。今でもバシバシ輝いていますが、もっともっと上に行くようなそんな雰囲気がプンプンです。

彼女自身も言っていましたが、坂本龍馬という超絶人気キャラを演じるということは非常にプレッシャーだったと思いますが、よくぞ跳ね返してくれました。彼女は他の男性キャラを演じた子達とは違い、特に男性的な演技をしていたわけではないのですが、その存在感と演技パワーで男性顔負けのキャラ造形ができていたのではないかと思います。確かな演技力もあるし、感情的な表現も非常に繊細だし、しかも歌もメチャクチャ上手いらしいですからね。これから訪れるであろうビッグチャンスを彼女なら確実にものにできるのではないでしょうか?今後の活躍が本当に楽しみな子ですね。また是非ご一緒したいなあ。

 

◯高杉しずか役:中原ありすさん

彼女はとにかく声が特徴的で良いですよね。感情がものすごく声に乗るといいますか。しばらくブランクがあり、今年あたりから舞台の活動を再開したみたいですが、そんなブランクを感じさせない素晴らしいお芝居を見せてくれました。しずかという役は、この物語をスタートさせ転がして行く重要な役割。その役を中原さんに託した私の選択は間違っていなかったと胸を張って言えますね。彼女は闘志を外に向かって出すタイプではないのですが、うちに秘めたる闘志はものすごいものがあると思います。非常に頑張り屋さんですし、クレバーなところもあり、今後もどんどん経験を積んで行くでしょうし、もっともっと素晴らしい女優さんになることでしょう。今回のような熱い作品でも彼女の良さは十分に発揮されていたと思いますが、やはりストレート芝居をする彼女にも期待せずにはいられません。

最後、死を覚悟した戦いを前にして、武神である高杉晋作と交わされる会話は本当に素晴らしかった。彼女の「楽しかった。生きててよかった」というセリフに、高杉しずかという女の子の人生全てが盛り込まれているような演技。いつもいつもブース(スタッフの席)で涙ながらに観ておりました。やはり、彼女のあの声で発せられる感情的なセリフは本当に胸に響く。あと、もう一つ!彼女の最大の魅力は気品と上品さです。これ、女優さんには本当に必要な要素だと思うので、今後もさらに素敵な女優さんに飛躍していけるよう頑張ってもらいたいです。今度は、ストレート芝居で是非演出してみたいなあ。

 

長くなりましたが、とりあえずはこの辺で。


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2018年7月11日〜16日まで新宿村LIVEで上演された舞台『降臨Hearts』が無事に全公演終了いたしました!公演中からそして公演が終わった後までもSNSなどで沢山のご感想・ご声援をいただき、本当にありがとうございました!

 

さて、恒例の演出ノート的意味合いを込めた振り返りブログを書きたいと思います。すでに次の作品の稽古が始まっているためいつもよりものんびりなペースかもしれませんが、どうぞ最後までお付き合いいただければ幸いです。まずは、演出目線から見た今回の公演についてです。

 

普段、会話劇やストレート芝居の演出がほとんどの私にとって、今回の作品がガッツリアクション芝居の初めての演出でした。まあ、ちょいちょいアクションが入るようなエンターテーメント性の高い作品を演出したことはありますが、ここまでアクションが多い・アクションメインの作品は初めて。最初はうまく演出できるか少し不安でしたが、やってみればいつものお芝居を作る流れは大きく変わらず、途中からは楽しくて仕方なくなりました。アクションについては構成を伝え、殺陣師の押田さんに完全に委ねました。押田さんも作品性や私の意図をものすごく汲んでくれる殺陣師さんだったので、非常にやりやすかった。殺陣のクオリティをあげることについても最後まで粘り強くみんなを指導していただき、そしてみんなも一生懸命に食らいついてくれました。その結果、手に取るようにみんなの殺陣が向上していくのがわかりました。こんなにも嬉しく楽しいことはありません。多くのキャスト陣が殺陣初体験という環境の中で、クオリティも当然ですが、やはり「この戦いのシーンががあるから、次のシーンに繋がる」そんな「お芝居を成立させる」お芝居としての殺陣シーンにしようを合言葉に取り組んでもらいました。みんなを最後まで厳しくも愛情を持って引っ張ってくれた押田さんには本当に頭が上がりません。

 

今回の作品というか、芝居作りのテーマとしてみんなに伝えていたのは「うまくやろうとせず、とにかく全力で、今のあなたたちだからこそできる作品にしよう」ということ。荒削りでもいい、むしろ荒削りだからこそ伝わる「熱」と言いますか、そういうものを大事にしていきました。乱暴な言い方をすれば、お芝居は経験を積んでいけばいずれはどんどんうまくなっていきます。だから慌ててうまくなろうとしなくても大丈夫なんです。慌ててその場しのぎでうまく見せるために、セリフの言い方から何から全てを押し付けることは将来的にはむしろマイナスだとすら思ってます。課題を与え、それに向けて各々が「考えて」芝居に向き合うことが大切なんです。なので失敗しても良いのです。失敗したりうまくいかなかったりしたら「なぜか」を「考えて」、次に活かす。今回の座組の子たちは経験のある子も経験の少ない子も本当に向上心の強いキャストが多かった。各々が考えて悩んで、時には私に質問しに来たり、先輩の役者さんに教えを請うたり、どんどん成長していくのがわかりました。本番に入ってからも、みんながどんどん良くなっていくのが目に見えてわかりました。うまくいかなくて泣いている子達もいました。そういう子達に的確なアドバイスをしてあげる先輩陣。とても良い環境の座組でした。今まで沢山の座組を経験していますが、成長した度合いでは、今回の座組がナンバーワンだと思います。手前味噌になるかもしれませんが、本当に誇らしい座組でした!

 

さて、演出的な取り組みから言いますと、今回の作品ではとにかく全体のテンポ感をかなり気を使って作りました。シーン自体のテンポ感、シーンとシーンの繋がりのテンポ感、速さだけではなく、観客を物語に引き入れるための緩急などなど。なぜか? 物語が複雑で且つ敵味方が二転三転する流れだったためです。複雑だからこそ、脚本に描かれていないような部分も説明を追加して構築していく方法もあったかもしれませんが、なんかそれは脚本の面白さを消す行為のような気がしたのです。最初に脚本を読んだ時、私の頭の中を怒涛の情報量が通過し、そしてあっという間に物語が終わった気がしました。私はそのダイナミズムこそがこの脚本の面白さであり、表現するべきことだと思い、骨太にテンポよく物語をぐいぐい進めていく演出をしようと決めました。私はそれで正解だったと今でも確信しております。1回観ただけでは全てを消化しきれない作品かもしれないが、それでも面白かったと言ってもらえるような「熱」だとか「スピード感」だとかを全面に出して構築していきました。もちろん、ぐいぐい進む中でもみんなが一個一個のシーンをしっかりと丁寧に演じてくれたからこそ、怒涛の流れの中でもしっかりとキャラも立ち、ドラマもしっかりと描くことができたのではないかと。みんなにとっては、本当に体も心もヘトヘトになる演目だったと思います。

あとは、「沈黙を作るための音作り」とか「一つ一つの戦いをしっかり見せるためのシーンの細分化」とか「今までの降臨シリーズにはない降臨のさせ方」とか「とにかく走って移動(笑)」とかとか、私なりに様々な工夫を凝らして演出をさせていただきました。本当に作品作りが楽しくてワクワクして仕方なかったです。話が戻ってしまうかもしれませんが、それもこれも今回の座組だからこそ積極的に取り組めたのだと思っております。このメンバーでやれて良かった、この作品を演出できて良かったと心の底から思っております。

 

まだまだ書きたいことは沢山ありますが、まあ演出的な話はディープな方向にどんどん行ってしまうのでこの辺りで。次回からは、今回の作品を彩ってくれたキャスト陣について書きたいと思います。

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