おっと、一つ飛ばしてしまいました。ダブルキャストで出演させていただいたバンタム・クラス・ステージ細川さん作演出の「アンジール」。手相見の芳一という謎の役をやらせていただきました。まあ、台本上は謎でもなんでもないんですけどね。勝手に自分で謎にしてしまっただけで。こちらは何年か前にやった作品の再演。その時も同じ役で日替わりゲストで出演させていただきましたが、今回はダブルキャスト…そうです、回数が多かったんです。日替わりゲストは1日限定だったので「とにかく手相を見るための虫眼鏡をベロベロ舐める」という謎のキャラクターで押し切ったのですが、今回は何日もありますからね。さてどうしたものか…と思いましたが、結局メインは虫眼鏡を舐めるになりましたが笑。まあ、でもそれだけでは面白くないので、とにかく今回はキャラを固めたらあとはノープランで舞台上に出てみるという作戦に出ました。刺激的ー!笑。そして困ったら虫眼鏡を舐めるというプラン。絡んでくださった中條さんがなんとかしてくれるだろうという他力本願のプラン。今考えたら狂ってますね。

作・演出の細川さんは同世代の方なのですが、本当に尊敬しております。独特の世界観でありながらちゃんとエンターテインメントだし、何よりセリフや言葉が美しい。強烈な「細川ビジョン」がそこにはあって、特に指示をされなくても役者自らが「細川ビジョン」にどんどん染まっていく。もちろん、細かく演技の演出とかもされるのですが、役者が「細川ビジョン」に一歩でも近づきたいと率先して入り込んでいく…なんかそんなマジックを持っておられるのですよ。同世代で同じく尊敬している6Cの松本さんはロジカル。役者が納得する解説や演出意図を明確に提示。設計図を一人一人に渡し、実行させる。斬新でありつつも非常に読みやすい設計図…そんな感じなのですが、細川さんは大きな一枚の設計図を壁に張り出し「みんな、見といて」と言う。その設計図は多くは書かれていないのですが、非常に興味をそそる設計図で、役者が自ら設計図の周りに集まって読み解いていく…そういう感じでしょうか。

去年の6CのDミリガン、そして今年のアンジールの現場に入れたことは、演出家としても非常に有意義だったと思います。お二人が稽古場で使っていたワードをちょいちょい使わせてもらったりしてますからね笑