アリスインデッドリースクールビヨンド大阪、無事に全公演が終了いたしました!ご来場、ご声援頂いたお客様、本当にありがとうございました!

 

さて、恒例の演出ノート的な意味合いを込めての振り返りブログです。まずは今回の公演自体についてなど書きたいと思います。

 

一昨年昨年とアリスインデッドリースクールビヨンド・パラドックスと2年連続でこのシリーズの演出を東京でやらせて頂いたのですが、私としてはひとまずやりたいことはやれた!というものがありました。なので次やるときは少し時間が経って、自分の作品に対する考え方ややり方に変化が出てきた頃にやらせて頂きたいなと思っておりました。

ところがアリスインさん側から「大阪でビヨンドをやりたい」とオファーを受け、私の故郷が大阪だったということもあり、もう一度やってみようとチャレンジすることにしました。

 

まあ、最初から分かっていたことですが色々と大変でした。まず第一に、私は大阪出身ではあるものの、大阪に演劇の拠点を全く持ってないことが大きな要因です。大阪にいた頃はただのサラリーマンでしたからね笑。お芝居なんて触れたこともなかったですから。相談する相手もいなければ、手伝ってくれる仲間もいない。アリスインさんが地方で公演する時はその地方の劇団さんや団体さんとコラボしてやるのが今までのやり方がだったみたいですが、いや全くもって正解です。単身で乗り込んでいくのはある種無謀でした。もちろん現地でお手伝いしてくださるスタッフさんたちはいらっしゃいましたが、スタッフさんは稽古中盤以降くらいから合流してこられるので、それまではなんか一人で足掻いている感じでした。しかし、今回組ませて頂いた現地のスタッフさんたちは本当に素敵な方ばかりだったので、皆さんの合流後はメチャクチャ助けてもらいました。多分、私にものすごく気を使ってくださったのだと思いますが、飲みに誘ってくださったり、話を聞いてくださったり本当にありがたかった。音響さんや照明さんは色んなプランを出してくれて作品をより良いものにするぜ!という気迫を与えてくれましたし、舞台監督さんが合流してからは精神的にも肉体的にも色々と助けて頂きました。美術さんも時間があまりない中、最大限に私の希望を聞いてくれました。本当に頭が上がりません!まだ何も決まってないですが、また絶対にご一緒したい皆様でした!

 

あとはやはり、東京ほどガールズ演劇というものが浸透していないと思われるため、そう言った意味でのスケジュール管理や芝居というものに対する理解を求めるのが大変でしたね。でも、これは今後私たちの働きかけで改善していける部分だと思いますので、アリスインさん側にも色々提案していきたいと思っています。

今回、大阪の女の子たちにはとてつもない可能性を感じました。「お芝居やったことない」「本格的な舞台に立つのは初めて」というキャストさんが多かったのですが、ワークショップなどでフリー演技などをさせるとそこはやはり関西人。キャリアの多い少ないに関係なく、とにかくみんな何らかの面白いことをしようとしたり言ったりしようとする。このあたりのサービス精神や面白いことに対するハングリーさは目を見張るものがありました。彼女たちがもっともっとお芝居に触れていけば、本当に演劇界の活性化に繋がると思いました。なんか偉そうなことを言ってしまいますが、東京でガールズ演劇をやってきた人間として大阪でもその土壌作りに少しでもお役に立てればという思いを強く持ちました。舞台というものにどう取り組んでいけば良いのかもわからない子達がたくさんいたと思うのですが、稽古場で行った最初の通しが終わった後に、明らかにみんなの目の色が変わりました。そして本番を行なっていくうちに芝居の面白さ・奥深さにどんどん触れて、「また舞台に立ってみたい」と思ってくれたキャストたちも沢山いたようで本当に嬉しい限り。

 

もちろん演出を担当した者としてはお客様に楽しんでいただける作品にしなければというベクトルは当然持って挑んでいましたが、それと同時にキャストたちにお芝居の魅力を感じてもらいたいという想いがいつもより強かったかもしれません。同じ作品を3年連続でやるとどうしても少し欲が出てきてしまうのですが、自分の考えを押し付けることは絶対にやってはいけないなと思い、作品とキャストたちのバランスを見極めながら作品作りを進めました。そのあたりのバランスを見失うことなくやれたことは、珍しく自分で自分を褒めてあげてもいいかなと。

 

とまあ、色々ありましたが本番を終えた彼女たちの爽やかな笑顔に全てが報われました。私にとっての「2017年大阪夏の陣」は無事に幕を閉じました。まだまだ「こうやった方が良かったかなあ」とか思っている部分は多々ありますが、彼女たちと駆け抜けた1ヶ月半に悔いはありません!キャスト陣も沢山不安を抱えていたと思いますが、本当によく頑張ってキラキラした姿を舞台上で披露してくれました。

 

この公演を支えてくださったスタッフの皆様、猛暑の中連日劇場に足を運んでくださったお客様、SNSなどでご声援をくださった皆様、本当にありがとうございました!座組を代表して改めて御礼申し上げます。また大阪でやらせてもらう機会があると思いますのでよろしくお願いいたします!

 

では、この辺で。次回は舞台を彩ってくれたキャスト陣について書きたいと思います。