はい、というわけで本日2度目の更新!

今回は作品に命を吹き込んでくれたキャスト陣について。今回も素敵なキャストたちとご一緒できました。

 

◯墨尾優役:橋本瑠果さん

◯百村信子役:武井紗聖さん

やはりこの役は2人同時に書いた方がいいと思います。一心同体と言うか2人で1人という役だと思うので。

今回のノビューンは瑠果ちゃんが16歳、紗聖ちゃんが15歳と言うおそらくノビューン史上最年少コンビ。というかリアル同世代コンビでした。今にして思えばこの年齢の2人が今回のノビューンをやったというのは私的には大正解だったと思ってます。前回のブログで「今回のノビューンは無敵状態ではない」と書きましたが、それは脚本上もそうだったんですが、リアル年齢の2人がノビューンをやったことでより確固たるものとなりました。2人ともいい意味で演技っぽさがない。なので本当の女子高生が屋上にいる感じがしました。ラストの方では2人とも本気で毎回泣いてました。瑠果ちゃんは最近舞台に出まくってますが、まだ芝居を始めて1年ちょっと。紗聖ちゃんに至ってはほぼ初舞台(ちょい役で出たことはあるのかな?)。おそらく2人ともまだ技術で泣きの芝居はできないと思います。しかし、驚く程感受性の豊かな彼女たち。稽古の時に私が催眠術にかけるようにその時の状況、そしてどんな気持ちでこのセリフを言っているのかなどなどつぶやいて行くと2人ともポロポロ泣き出す。だからいつも芝居ではなく、本当に大好きな友達を失くしてしまうんじゃないかとか永遠の別れになるんじゃないかとリアルに感じてラストの方のシーンをやっていたんだと思います。

最後の2人の別れのシーン、今までのデッドリーには途中で夢であることに気づいた優が「これ、2年前の思い出だね」と言う直接的なセリフがありましたが、今回はそのようなセリフがなかった。そこで私は、2人でコンビ名を決めた時、優が「ノビューン」と言う時に夢(思い出)であることに気づいてもらう演出を付けました。そしてノブもその時に同時に夢(思い出)の世界の人物になっていく。一度稽古場で優役の瑠果ちゃんがこの「ノビューン」というセリフをなかなか言い出せなかったことがあります。おそらく彼女の中でこのセリフを言ってしまったらノブとお別れしないといけないという感情がこみ上げて来てしまい、言葉が出なかったのでしょう。奇跡の瞬間でしたね。芝居の神が舞い降りました。ただ、本番でやったら間違ったように思われる可能性があったためそのままにはしませんでしたが。私は観ていて胸が張り裂けそうでした。

今回のお芝居が凄く生っぽい印象だったのは、脚本上ノビューンが無敵ではなくなったということと瑠果ちゃん紗聖ちゃんがノビューンを演じたことが大きく影響していると思います。稽古中にそのことに気づき、そして今回の作品の方向性が決まりました。それは「本気度MAXで演じてもらうこと」です。本気で怖がる、本気で笑う、本気で生き延びたいと思う、本気で叫ぶ…とにかく全部を本気でやってもらおうと。それによって作品が少し荒々しくなるかもしれない。でもこの座組に合ったデッドリーはそれだと。やはりどう転んでも、デッドリーはノビューンなんですよね。

それにしても橋本瑠果という女優(もうそう呼んでもいいでしょう)はとんでもないです。初舞台からご一緒している訳ですが、今回ですでに4回目。一緒にやるたびにぐんぐん成長しております。今回の瑠果ちゃんのテーマは「感情的なシーンをしっかりと演じることができるか?」でした。というのも、今まで一緒にやった作品ではその部分がどちらかと言うと苦手という印象があったからです。ところがどっこい!あっという間に越えて行きましたね。三段飛ばしくらいで。本当に底が知れない。もちろんまだまだ改善する部分はあるでしょう(今回の打ち上げではその辺りを今後の課題として伝えました)。しかし、彼女ならそれも乗り越えて行くはず。次にご一緒する時が今から楽しみです。そして、意外と色々考えている子なんだということも今回よくわかりました。そして、体形が私と瑠果ちゃんはほぼ同じ。私の方が少し体重があるかな。他人とは思えません笑。ガリガリ一族です。

そして何と言っても紗聖ちゃん。本当に良く頑張りました。正直な話、私も当初は「最年少の子にノブをやらせてもよいのか?」と不安がありました。というのも私にとってノブという役はこのデッドリーシリーズにおいては最重要の役だからです。そして一番難しい。最初の読み合わせの時、一度は別の子をノブにしようと思いました。しかし、作品全体のバランスを考えたとき、紗聖ちゃんにノブをやってもらうのがベターだと判断し、彼女の成長に賭けることにしました。おそらくとんでもないプレッシャーだったと思います。千秋楽の挨拶でも言ってましたが、本当に不安で押しつぶされそうになったとも思います。普通に稽古していたのでは間に合わない(ただでさえ今回は稽古期間も短かったので)と判断し、彼女だけ皆より早く稽古場に来てもらいマンツーマンで稽古をしました。発声の仕方、セリフのいい方、動き方などなどを指導。彼女は情熱を表に出すタイプではありませんが、とにかく必死に食らいついて来てくれました。稽古をするたびにドンドン良くなっていく紗聖ちゃん。家でもたくさん練習したんでしょう。ポニョ(永吉さん)もたくさんアドバイスをしてくれていました。コンビの息を合わせるために、瑠果ちゃんもいつも紗聖ちゃんと一緒に帰ったりしたり…やばい、思い出したら泣きそうになってきました。とにかく周りの皆に支えられ、そして紗聖ちゃんもその期待に応えようと必死に頑張っていました。今思えば、よくぞ3週間やそこらであそこまで成長してくれたなあ。まあ、元々お芝居のセンスがある子だったというのも大きいと思いますが。2人の別れのシーン、夢であることに気づいた優に優しくにっこりと微笑む紗聖ちゃんの笑顔は最高でした。私的には一番の泣きポイントでした。

発声とか姿勢とかまだまだ改善点は当然ありますが、この子は絶対に良い女優さんになると思います。とびっきり可愛いですが、普通の女の子ができるというのは彼女の強みでしょうね。舞台だけではなく、映像などで活躍できる可能性もある子だと思います(映像は普通の子を演じられるというのは大きなストロングポイントですからね)。アイドルグループに所属している子ですが、ぜひともお芝居も続けて欲しいですね。

 

瑠果ちゃんと紗聖ちゃん。本当に素晴らしいノビューンだったと思います。ある意味、今の彼女たちにしかできないノビューンだったかもしれません。そういう意味では奇跡の組み合わせだったと。君たちがノビューンで本当に良かった!

 

ひえ〜、2人だけで結構長くなってしまった。いつもこうなんですよね…。というわけで今回はこの辺で。次回はなるべく沢山のキャスト陣に触れたいと思います。たぶん。うまくまとめられれば…。