ではでは、いよいよ今回でラストです。張り切って行きましょう!

◯星組  ぶん役:平塚あみさん
お馴染み、安心安定のあみごん。この人が舞台上にいるときの安心感たるや。まだまだ全然お若いんですけどね。今回でまだ2回目のご一緒でしたが全幅の信頼を置いておりました。セリフの言い方や体の動きなど本当にしっかりしています。そのためか稽古場でも「あみどん、あみどん」とみんなからあらゆる場面で頼られていました。ダンスも得意なので、少しダンスが苦手な子たちの特訓をしてもらったり、手先も器用なので小道具作りを少し手伝ってもらったりと本当に八面六臂の活躍でした。ありがたい存在です。月組の長橋さんとはまた異なったぶんを好演してくれました。しっかり者で頼り甲斐があるけどもちょっと愛嬌もあって、たまやいとからも好かれている、そんなお姉さん的な立ち位置がハマってました!もっともっと人気が出て早くシングルキャストになってほしい。是非ともなってもらいたい。なのでこのブログをご覧の皆様、是非ともあみごんを応援してください!そしてまた是非ともご一緒したい女優さんです。

◯星組  たま役:春乃美月さん
オーディションの時から演技がすごく印象的ですぐに合格と決めた子。猫っぽい愛らしさもありながら締めるところはしっかり締める、そんな演技がもの凄く良かったです。満汐さんのことを語る長台詞は、なんだか満汐の寂しい面が頭に思い浮かんでジーンときてました。舞台に出るのが6年ぶりだったそうですがそんな素振りは微塵も感じさせない堂々たる演技でしたね。演技もとても安定していて、稽古終盤から本番もミスなし。演出家としてはその点も最大限の評価をしております。人間はミスをするものなのでミスが悪いと安直に思うようなことはありませんが、やはりミスが少ない役者さんはありがたい存在です。彼女もリアクションなど色々なことを自分で考えてくれてキャラの味を深めてくれました。これを機会にアリスインさんや他の舞台などどんどん活躍の場を広げていってその確かな実力を見せ付けてほしいですね。皆さんも今後の彼女の活動は要チェックですよ!

◯星組  いと役:堤萌さん
月組のYuiちゃん同様、本当にいとちゃんっぽさがよく出ていて微笑ましかった。今回で二度目のご一緒なんですが、何気に普通にお芝居が上手い!台詞もハッキリしっかり言ってくれるし、まだまだ若いのに素晴らしいと思います。稽古場でもよくコロコロ笑っており、彼女がよく笑ってくれるので私も色々なシーンを演出していてなんだか訳のわからない自信がみなぎってきました笑。声色も可愛らしい声から野太い声まで色々使い分けることができ、本当に器用。飲み込みももの凄く早いので演出していて凄く助かります。学校に行きながら、限られた時間での稽古参加にもかかわらずみんなから遅れたりすることは全くありません。末恐ろしい高校一年生です!最後、消え去る前に満汐に掛けるセリフは幼いながらもその言葉の中にしっかりとした主人への想いが込められており「いとちゃん、普段はフワフワしてるのに満汐さんのことをちゃんと守るために色々考えてたんだ!」と思わせてくれとても素晴らしかった!今後の活躍が本当に楽しみな萌ちゃんです。またよろしくね!

◯星組  藤原永遠役:小山夏希さん
あまり演技経験のない子でしたが、永遠というとても重要な役を本当にしっかり演じてくれたと思います。彼女の声や雰囲気が永遠にはまりそうな予感はありました。しかしここまで成長してくれるとは思いませんでした。彼女の素晴らしさは「なにくそ!」根性だと思います。稽古序盤、あまり危機感を感じていないような雰囲気のあった彼女(当然ですよね。舞台のことがあまりわからない状態なんですから)に結構厳し目の言葉をかけたことがあります。今にして思えば私の配慮が足りませんでしたが、彼女はそこからメキメキと芝居を上げてきてくれました。守山と個人的に何度も練習を重ね、経験のある相方の大森さんにも色々聞いて本当によく頑張ってくれました。本番では永遠というメイン級の役を堂々と演じておりました。見上げた根性だと思います。本来なら永遠はシングルキャストにしたいぐらいの重要な役。この芝居がちゃんと締まったものになったのは月組星組の両永遠役がしっかり演じてくれたことが大きな要因の1つだと思ってます。今は心から拍手を送りたい。本当素晴らしかった!

◯星組  松永夜沙乃役:大森さつきさん
いい女優さんですよー!彼女もオーディション組ですが即決定でした。稽古序盤からかなりのクオリティで演じてくれていました。向上心の高い彼女、それでも自身の演技には納得できていないみたいで私に色々と課題を与えるように求めてきました。いくつか課題を出したのですが、本番では全ての課題をクリアしておりました。夜沙乃の複雑な心境を表現豊かにしかもかっこよくそして温かみを持ってやってくれました。役の厚みが素晴らしかった!前出の小山夏希さんが思い切って永遠を演じられたのは大森さんの存在が大きかったのではないかと思います。役でも稽古でも主人である永遠をしっかりと支え、本当にその献身的な心構え、演技にはいつも胸を打たれておりました。ラストシーン、途方に暮れる永遠にしっかりとそして優しく言葉を掛けるシーンは本当に素晴らしかった。彼女なら永遠を救ってくれると思わせてくれました。本当にファインプレー連発の女優さんでした。こういう女優さんが座組にいることはとんでもなく大きいことだと思いますので、アリスインのプロデューサー様、是非ともこれからも彼女のキャスティングをお願いします!

◯星組  ツタエ役:横井結衣さん
学校などの予定が厳しくあまり稽古に来れなかった彼女ですが、まあとにかく飲み込みが早い。そしてセリフを覚えるのも早い。来れない間もしっかり努力してくれている証しですね。芝居に慣れてきたら今度は色々と足したり、セリフの言い方を変えたり遊び出す。いやー、本当に面白い子ですよ。ノリもいいですからね、役を演じることをすごく楽しんでくれる。見ていて気持ちがいい。ドンドン色んなアイデアも出してくれる柔軟性も持ち合わせてる。もっとお芝居に接する時間が増えてくればかなり面白い女優さんになりそうです。そしてこの子もミスが少ない。やはり素晴らしい芝居勘を持っていることは間違いないようです。度胸も満点ですからね、恐れ入りますよ。今回で二回目のご一緒でしたがまた進化した姿を見せてくれました。次ご一緒する時はまた新しい姿を見せてくれることでしょう。楽しみな存在です!

◯星組  大木梢役:雪村美織さん
みんちゃんも初舞台。彼女の良さはまさに「小粒でピリリ」でしょう。その華奢な体からは想像も出来ないパワーを発揮してくれます。最初は梢という役をどのように演じればいいか迷っていたみたいですが、本番ではテンポ良く小気味良く梢を好演してくれました。栗生ちゃんに触発され、相方の後輩役のお二人と本当に色々なネタやキャラクターを考えてくれました。もういっぱいやりすぎてこちらで色々と削ったくらい笑。もの凄く嬉しかったし、なんとか彼女たちの考えてきたことを上手く活かしてあげたいと心の底から思いました。役者とのこういうやりとりは本当に楽しい!初舞台とは思えないほど声も出るし滑舌もしっかりしてる。テンションも高いし、実にいい!オープニングシーンの学園のワチャワチャ感をすごく出してました。舞台で初めてみんちゃんの演技を観たお客様の心もガッツリ掴んだみたいで、お客様の感想にも度々彼女の名前を見ました。このままドンドン経験を積んで行けば良い女優さんになること間違いなし。是非ともお芝居を続けてほしい存在です!

◯星組  小野ゆず役:井上奈菜さん
彼女も初舞台組。色々と不安や緊張があったみたいですが、しっかりと演じてくれました。稽古もほぼ休まず参加してくれ、頑張っておりました。最初はどうしても台詞が硬くなってしまうことがありましたが、本番では楽しそうに伸び伸び演じていました。雛鳥が飛び立っていく、そんな喜びを感じたものです。稽古終盤では色々なぶっ込みにもチャレンジしてくれ、何よりも楽しそうに演じている姿はとても嬉しかったです。好きこそものの上手なれとはよく言ったものですね。楽しそうに演じるようになってからは硬かった台詞回しも徐々に柔らかくなり本当にいい方向に向かって行きました。声優さんなので今度はいつ舞台に出演されるのかわかりませんが、同時に舞台も続けてほしいなあ。人前に立つことで色々な喜びや課題、難しさもわかってくると思いますので。舞台人としてはそこらへんも期待していきたい!

◯星組  谷本さち役:大塚結生さん
ラストホリデイ2015以来のご一緒でした。前作では闇の使者という難しい役を初舞台ながらしっかりと演じてくれましたが、今回はうって変わって楽しそうな女子高生を元気に演じてくれました。彼女はとにかく声がデカイ。凄く良いことだと思います。学生チームの中で1人ドスの効いた声で舞台上の熱を上げてくれていました。彼女も非常にミスが少ないんですよねー。普段はDISDOL(ディスドル)という恐ろしい名前のアイドルグループで活動している彼女ですが、ドスの効いた声でディスってるのかと想像すると身が震えるばかりです笑。
お芝居ではゆず役の井上さんと色々と息を合わせて楽しそうに演じてました。2人の息が合ってるようで合ってない感じの演技がなんとも間抜けで面白かった。ちなみに舞台挨拶でも彼女が言ってましたが、あの合ってない感じはわざとですのであしからず笑。ゆいちゃんのようにやるたびに違う顔を見せてくれるのは本当に楽しいものです。次を楽しみに待ちます。


以上で、陰陽よろず屋開業中!の振り返りは終了となります。今回のキャスト陣、正直な話をしますが最初は少し不安がありました。みんな遠慮がちというか、なかなか元気な姿を見れなかった。しかし、段々と稽古場の熱が上がっていき、みんな伸び伸びと演じ始めてからは本当にグングン良くなって行きました。最終的にはとんでもなく積極的に芝居に取り組んでくれる座組へと成長。私も多少はそのような環境作りを頑張りましたが、やはり最終的には彼女たちの功績。ご覧頂いた多くのお客様に「全員がキラキラしていた」という感想を頂けたのは本当に嬉しかったですし、凄い子たちだなあと感心させられました。
全く同じ座組でお芝居をすることは残念ながらないとは思いますが(演劇界の常ですね笑)、今回の座組で得た財産をみんな花開かせてほしいですし、私も大いに勉強させて頂きました。みんなに感謝!そしてそのキャストたちを支えてくれた全スタッフさんに感謝!そしてそして彼女たちに勇気と声援を与えてくださったお客様に感謝感謝!ありがとうございました!

2016年3月3日  扇田賢