4月29日~5月10日まで行われた私の劇団ボブジャックシアターとアリスインプロジェクトさんとのコラボ作品『ラストホリデイ2015』が全16公演無事に終演致しました。改めて、劇場にお越し下さった皆様本当にありがとうございました!

裏話とまでは言いませんが、演出ノート的なことも含めて公演に向けての稽古でのお話や本番中のお話などを書きたいと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、この『ラストホリデイ2015』は2012年に初演が行われまして、ありがたいことに大変ご好評頂き、今回の再演となりました。再演と言ってもキャストは全員変わりました(唯一劇団員の渡壁が初演にも出演しておりましたが、別の役)。そこがまず一番の悩みどころであり楽しみな部分でもありました。初演は主演の栞菜ちゃん、助演の水原さん、相田瑠菜ちゃん、麻生ちゃん、稲森さんなどとにかくメインどころに経験豊富な女優陣が集まりました。それに対し、今回の再演ではメインどころにフレッシュな女優陣がキャスティングされました。
このことが今回はポジティブに作用したと思っております。再演が決まってから、「初演をより良くする」か「全く違う雰囲気のものにする」かを少し悩んでいたのですが、キャスティングが決まり、稽古が始まり実際にみんなの演技をみせてもらった段階で自分の考えが誤っていたことに気づきました。「あまり難しく考えずに、この子たちの個性を引き出して行くことを最優先で考えて行けば自ずとこの子たちのラストホリデイが出来上がるはず!」早い段階でそう思えたのは大きかったです。

今回のキャスト陣は元気な子が多かった。なので、この元気やみんなのワチャワチャした感じをとにかくそのまま舞台上に乗せたかったのです。よく笑う子も多く、私もそれを見ていて凄く楽しい気分になりましたし、それはこの座組の最大のストロングポイントだと。
私がアリスさんで演出をやらせてもらう時に一番大切にしていることは、まずみんなの長所を伸ばすこと。稽古期間が(私にとっては)少し短いということもあり、欠点やクセを完全に矯正するには時間が足りません。もちろん、気づいたことは本人に告げますが、それは今後の課題として、まずは今の自分の特徴や個性を最大限に出せるよう演出するようにしています。伸び伸びとやってもらうこと、またそういう環境を作ること、これが一番なんじゃないかなと考えています。

とまあ、ちょっと小難しいことを書きましたが、ようは芝居を楽しんでやってもらいたい。私は芝居が大好きですし、芝居のことで悩んだりあれこれ考えたりしている時間が好きです。もちろん辛い事もありますが、やっぱり楽しいから辛い事や大変なことにもちゃんと向き合えるんです。そんな大好きな芝居ですから、みんなにも大好きになってもらいたい。芝居って本当に心が広いんだと思うんです。日常であればコンプレックスとされる背が低いこと(私もそうです)、太っていること、動きがぎこちないこととかが、お芝居の世界では『個性』としてウェルカムされるわけですから!そんな「メッチャいいやつ」であるお芝居を大好きになってもらいたいんです。それに楽しんでやってるほうが、色々とアイデアも浮かびますしね!

そんなこんなで、今回も楽しくやらせてもらいました。アリスさんではあまりやらない「日替わり」ネタとかも入れちゃいました。まあ、公演期間も長かったし笑うのが好きなメンバーが多かったので実験的にですけど。今までは「日替わり」ネタとかはしたことありませんから笑
最初はそういう遊べる部分を作った時、戸惑っている子たちもいましたが、本番でお客様の生の反応を知り、最終的にはみんな楽しんでやってくれていたので何よりです。闇の使者チームは自分たちも参加したくてウズウズしていたみたいですが笑(ごめんなさい!)。

結果として大成功だったと私は思っています。何より、毎回満席だった会場がその答えだと。今回の座組、直前で愛純さんが交通事故の影響で降板してしまいましたが、総勢28人でした。実は普段の一週間公演と人数が変わらなかったんです。にもかかわらず16公演を満席にしたんですから!それもこれもキャストみんなの魅力と頑張りのたまものです。みんな本当にキラキラしてました。私は毎公演笑って泣いていました。今回のキャストたちにしかできない「ラストホリデイ」だったと思います。みんなこれから色んな現場や舞台に触れて行くことと思いますが、お互いに成長した姿でまた一緒に作品作りができるといいなあ~。

そして、最後にこの公演を応援してくれた皆様、本当にありがとうございました。皆様の笑い声や笑顔が座組を成長させてくれました!皆様の生の反応の集大成が千秋楽のラストホリデイでした。そういった意味でも今回の作品はキャスト・スタッフ・お客様全員で作り上げて行ったものだと思います。本当にありがとうございました!
キャスト陣についてはまた書きます!