では前回に引き続きキャスト話を。

◯田島友朗役:富田翔くん
皆様ご存知、ラズボのプレイングマネージャー。お芝居だけではなく、演出的な提案や自身のキャラだけではなく、他の役者陣にも色々なアドバイスをしてくれる本当に欠かせない存在。今回も翔くんとは色々話し合いをさせてもらいました。この前のブログでも触れましたが、今回は脚本製作の初期会議に参加してもらいました。
実はこの「田島友朗」という役は、ラズボ1ではそれほど重要な役ではなかったんです。部室に出る幽霊だからいつも部室にはいるけど、脚本上は本当にいるだけっていうシーンが多かった。そこに様々な要素を取り入れ、田島友朗という人物をとてつもなく大きくしてくれました。ここまで色々提案してくれる役者さんは今まで出会ったことないかも…。翔くんが友朗というキャラクターを大きくしてくれたことで「ラズボ2は友朗成仏編で行こう」という案が脚本家にも浮かんだわけです。これ、すごいことですよね!?
翔くんはとにかくアイデアが豊富な役者さんなのですが、その演技力は確かなものです。まず、本番中ミスをしません。あれだけハチャメチャな舞台なのに、本当にミスがない。これは演出家としてまず一番に褒めたいこと。そして、一緒に仕事をするたびにどんどん芝居が素晴らしくなっている。これはやはり一つ一つの作品に常に本気で取り組んで来ている証拠ですね。最近、とんでもないペースでお仕事をしてますが、当然です。それほど一緒に仕事がしたいと思わせる役者さんなんです。間違いなくこれから活躍の幅を広げていくことでしょう。私も翔くんのこれからの活躍っぷりが楽しみでしかたありません!でも、どんなに忙しくなってもラズボは出てねw

◯五所川原悠太役:早乙女じょうじくん
今回、既存キャストで唯一名前が変わった男wまあ、中身は愛すべき後藤先生のままだったので安心したファンの方がたくさんいたと思います。今回のラズボ2ではじょうじくんの新たな一面が沢山見れました。最初の方の「喜一の敵」として登場する悠太演じるじょうじくんは、とにかくかっこいい!何なんですか!あの色気は!出来る男が放つ色気が死ぬほど出てましたねー。そして秘書の三枝を見守る優しい眼差し…あの若さで既に父性も手に入れているみたいです。
こんなこというと失礼かもしれませんが、今回のラズボ2でまずじょうじくんに感じたことは「メチャクチャ芝居が上手くなってる!」ということです。もちろん、元々から芝居は上手かったのですが、何かこうもっと上手くなったというか、いや違うな。芝居がぐっと豊かになったと感じました。悠太もそこまで出番の多い役ではなかったのですが、出て来るたびに悠太という人間の色々な側面や表情、色を見せてくれてました。今回のキャラクターの中で12年後のちょっとした変化を一番見せてくれたのではないでしょうか?根本は後藤悠太なんです。でも、12年という時の流れをそっと感じさせてくれる演技。いや~痺れました!
あと、やはり特筆すべきは声。本当にいい声だと思います。激しくもバカにも優しくもかっこ良くもなれる声。豊かな声だと思います。これから年を重ねるごとにどんどん味が出て来る役者さんですね。今後が本当に楽しみ!じょうじくんのやる悪い男とか観てみたいな~。

◯長門孝志役:寺山武志くん
もうこの人ほど安心クオリティな人はいません!稽古場で結構早い段階から仕上がってました!まあ、今回は直前に別の舞台で抜けるというのがあったからかもしれませんが、とにかくこの人が登場するとメチャクチャ安心する。芝居上手いし、面白いし、何気にダンスかっこいいし。しかも目に見えないところで、他の役者陣にもしっかりアドバイスもしてくれる。本当に素晴らしい役者であり、人間だと思います。かつて「オカマとかゲイの役はやりたくない」と発言していたそうですが、蓋を開けてみれば「超はまり役!」「寺山くん以外の孝志さんなんて考えられない」と賞賛されてしまうところもお茶目。ラズボ1が終ったときのブログでも触れましたが、孝志さんは元々は普通の男のマネージャーだったんです。でも、ラズボをやる前にテラくんが出てた舞台を観た私が「どうしても孝志をお姉キャラにしたい。そしてなんとか出番を増やしたい」と脚本家に頼み込んで改訂してもらいました。ホント、大正解だったと思います。
あと、単純に私はテラくんのお芝居が好きみたいです。なんかずっと観てたい…、稽古場でもいつも思ってます。寺山武志という役者に出会えたことだけでも、ラズボをやって良かったと思えます、と言ったら大袈裟ですかねwでも、それほど、私はテラくんが大好きです。

◯熊川潤一役:土井一海くん
アイアン土井。私はいつもこう思ってます。何がアイアンかって?体がカチカチ?それともムキムキ?いやいや違います。心です。心がアイアンなんです。ネタがウケるウケないなんて、土井一海と言う男には関係ありません。常に全力でやり切る。例え全世界の人間が笑わないとしても、土井一海はやり切る。そんな鉄の心を持った男なんです。まあ、本番ではちゃんと爆笑を取ってましたが、なんというか姿勢が、生き様がそういう男なんです。
千秋楽で一発ギャグを途中で間違えた時、間違えたままやり切って、そして笑い取ってましたからね。普通の人間はちょっと勢いがなくなるはずなんです、間違ったら。しかし彼は一切ブレない。ブレーキのない自転車なんですw
土井くんは凄く素直な男です。とにかくまっすぐ。でもちょっとおっちょこちょい。そこがまた堪らなく愛おしい。ラズボ2で喜一を潤一が励ますシーンがあったのですが、稽古場でなかなか上手くいかず苦労してました。でも、常に前を見て私や他のキャストたちのアドバイスをしっかりと聞き、何度もチャレンジする姿…これこそ土井くんの真骨頂だと思います。だからまた一緒に仕事がしたくなる。本当にナイスガイ!すぐに出来るようになるタイプの人間ではないかもしれませんが、必ずやり遂げる。そんなパーソナルが私は大好きです。もちろん、お芝居もエネルギッシュでこのラズボという作品に土井くんにしか出来ないものをもたらしてくれています。また是非ご一緒したい男です!

◯桜井蓮役:小林涼くん
今回も涼くんは大変な役どころだったと思います。ハチャメチャで皆が遊びまくってるこの作品でのストーリーテラー役。きっかけのせりふが微妙に変わってたり、タイミングが異なってたりすることはありまくりです。そんな中でも自分はしっかり合わせて、作品にリズムを与えないといけない。非常に難しい役割です。稽古の段階から涼くんには「実はこの作品のリズムを作っているのは蓮くんだからね」とよく伝えました。本当は涼くんも他のキャストみたいに色々遊びたかったりするんだろうなあと思いながらも、そこは心を鬼にしてお願いしました。
初演から一年経ちましたが、その間に色々な現場を踏んで来たこともあり、確かな地力を付けて戻って来てくれました。前回はちょいちょい独白の言い方に注文を付けましたが、今回はほぼ何も付けておりません。いつも私のイメージ通りの独白をしてくれていたからです。一年と言う時間は、本当に人を成長させるものなんだなあとすごく実感しました。今の涼くんは一年前とは比べ物にならないほど人気も出て来てるみたいだし、次ご一緒するときはまた進化してるんだろうなあと思います。また涼くんとご一緒できる時が楽しみです。ハチャメチャ舞台でのストーリーテラー役、本当にお疲れ様でした!演出家として本当に感謝してます!

では、今日はこの辺で。次回は、ラズボ2で出会えた新キャストたちについてです!