こんにちは!
アコギの魅力の一つに、何年何十年と弾き込むと、ギターの音色が次第に乾いた良い響きへと変化していく過程があります。長い年月をかけて成長していくヴィンテージ・サウンドは、アコギの醍醐味の一つだと思います。
年数の経つとギターの音がよくなる理由は、セルロース(木の細胞)が化石化する(枯れる)ことによると言われています。こうした変化により、新品のギターにはない硬さの取れて温かみのある、いわゆる枯れたサウンドへと進化していくのです。
木の細胞が化石化するためには、当然長い年月が必要なのです。よい状態のヴィンテージギターがかなり高額なのも納得だと思います。また、高額でもそれを買い求めるギター愛好家が多いのは、やはりヴィンテージサウンドに魅力を感じるからでしょう。
しかし、ヴィンテージギターには長い年月が必要という常識を覆す技術に近年注目が集まっています。
木材加工の技術の中に、「トリファイド加工」というものがあります。これは、簡単に言えば木材を熱処理して、細胞を疑似的に化石化させる技術です。
これにより、新品のギターでも、硬さの取れた温かみのあるサウンドを楽しむことができるというものです。いわば、新品のヴィンテージギターです。
新品の木材を熱処理することには、音の他にもメリットがあります。
熱処理した木材は、細胞が化石化するので、変化がほとんどありません。変形が少ないことにより、ギターは長期間にわたって安定した音を響かせることができます。
こうしたメリットから、最近は、トリファイドギターが少しずつ注目されるようになってきました。
このギターもトリファイドギターの一つです。しかも、オール・トリファイドギターになります。
オール・トリファイドとは、ネック材、ブレーシング材、トップ、サイド、バック材、指板、ブリッジなど全てに熱処理を施しているギターです。
トップだけトリファイドというのが多いのですが、このギターはすべての部材を熱処理することで、まさに新品からヴィンテージサウンドを楽しむことができ、しかも、変化が少なく安定して長期間弾くことができます。
このギターの情報は、またご紹介させていただきます。
今日は新品でもヴィンテージギターのサウンドを楽しめる、トリファイドギターについてお伝えしました。
トップを熱処理したトリファイドギターのサウンド。
ではまた!