ワシントン条約って何?
歴史のテストではありませんよ。
【知恵蔵より】
正式名称は絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)。国際取引を規制することで野生生物の保護をめざす。対象には生物のほか、剥製、加工品、毛皮、牙なども含まれる。1972年、国連人間環境会議で条約の必要性が提案され、73年、ワシントン会議で条約が採択された。日本は80年に批准。
長いね…。2ちゃんねらーには「3行でまとめて」と言われそうですが、要は、絶滅が心配される野生動植物を保護するために、輸出入を規制する法律です。英語の頭文字を取って、CITES(サイテス)とも言います。
「これがギターと関係あるの??」
「大いにあるんです」
ギター板となる、天然木が規制の対象となるんです。これまでで有名なのが、通称ハカランダと言われるブラジリアン・ローズウッドです。1992年に取引が禁止され、その後、この材のギターはプレミアム価格となってしまいました。マーチンD-28だと年代によるけど、100万円~200万円クラスもざらにあります!( ゚Д゚)ビックリ!
ちなみに、ワシントン条約では「学術名」(難しいラテン語)で区分しています。禁止されているブラジリアン・ローズウッドは学術名で「Dalbergia nigra」と言います。
ここで注意!!
このブラジリアン・ローズウッドの希少価値を利用して、便乗販売している業者が多いみたいです。俗称であるハカランダを使用したギターと称して販売しているものです。
ハカランダは南米産の他のローズウッドやそれに近い種類の木(ジリコテや ココボロ )などを含む意味で使用されていることがあるのです。
だから、ハカランダを使用した高級ギターは「Dalbergia nigra」かどうかを確認する必要があります。それ以外だとブラジリアン・ローズウッドではないということになります。
「いや~、ギターって本当に奥深いもんですね~(水野晴郎?)」
肝心なことを伝えていませんでした(汗)。
ワシントン条約で新たな規制が2017年1月2日より施行されました。
それは…
他の「ローズウッド全般が事前に承認・許可を取らなければ輸出入ができなくなった」というものです。
すべてのローズウッドの輸出入に許可手続きが必要になったのです。
(※1月2日より以前にローズウッドを輸入していたギターメーカーなどは、自社に蓄えがあるうちはこの手続きはいらないです。兄はベトナムにあるAyersの工房で製作したものを輸入するので、この手続きが必要になるのです。在庫があるのに便乗値上げする日本のメーカーがあればちょっとずるいかも!?)
これにより、Ayers NewHillシリーズのローズウッドモデルの輸入に大変な時間と労力+出費がかかるようになりました。(NewHillシリーズ07モデルに使用しているローズウッドは、インディアン・ローズウッドです。学術名「Dalbergia latifolia」、日本名「紫檀」)
経済産業省に 確認申請書、CITESの許可証、ローズウッドの起源証明書、コマーシャルインボイスなどの書類を送り、 確認許可証が発行されたら、運送業者がようやく発送してくれます。
こんなやり取りをするため、入荷予定日から必ず2~3週間遅れて到着するようになりました。
兄もよくぼやいています。
「取引先の方に早く届けたいのに…」
私もノムさんばりにぼやきます。
「ギターを一日も早くショップに出したいのに…」
「悔しいです!! (;`д´) (ザブングル?)」
手続きが完了次第、ギターが配送される予定です。
またお知らせしますね!