ウェブ会議、大阪などで実施=民事裁判IT化で
裁判所と弁護士事務所などをインターネットで結び、裁判所に赴かなくても手続きを進められる「ウェブ会.......... ≪続きを読む≫

小生は、現時点で遠隔地の訴訟を数件受任しており、弁論準備手続期日は原則として電話会議ということになっています。ウェブ会議が導入されれば、相手方や裁判官の顔を見ながら手続すすめられるため、非常に便利かなと思っています。

 

また、書面や書証のやり取りも、データ送信ができるようですので、かすれたFAXをみなくてもよいですし、手間暇かけてクリーンコピーやDVD(準備書面をデータで送る際、小生は原則DVDで送っています)を郵送しなくてもよいことになります。小生は基本的にすべて書面等はデータ化していますので、データ共有としてくれたほうがかなりありがたいです。

 

FAXだと送信先を誤るという危険性があります。ついこの間も、法テラスだったか、FAXの誤送信が多いという注意喚起のFAXが届きました。FAX番号を間違えることは、弁護士の中でも割とあるミスかもしれません(なお、メールでもあります)。郵送でも、宛先を間違えて書いてしまった場合(誤読・判読困難なものも含む)、宛先が正確でも郵便配達員が誤配をする可能性もあります(裁判所宛てだとほとんどないのでしょうが)。

 

データ送信でも誤送信等の危険はありますが、FAXや郵送といったアナログな方法よりマシかな、というのが小生の感覚です(FAXについては、番号の間違い、郵送は宛先の間違い、郵送事故もあります)。

 

なお、民事裁判のIT化については結構反対意見が出ているようです。IT化についていけない弁護士が反対しているだけであれば、無視してよいと思いますが、IT化についていけない当事者の裁判を受ける権利を侵害する、というのはもっともな意見かと思います。とはいえ、現時点で想定しているのは、書面手続とネット通信手続の併用とのことですので、旧来的な裁判手続それ自体が否定されることにはつながらないでしょう。さすがに、「データでなければ訴状は受け付けません」なんてことになったら大変です。

 

また、セキュリティ、安全性を問題視する声もあります。まあ、安全性は重要ですが、それを言い出したらFAXや郵送もアウト、ということになり、書面等のやり取りは持参のみ、ということになります。アナログに勝る安全性はない、ということなのでしょうけど、それが本当に国民のニーズなのかは考える必要があると思います。