よくパソコンができる人=実務ができる人、と勘違いする人がいる。果てには、MOUS等パソコン資格を有しているから、実務能力はあるといったとんでもない思い違いをする人もいる。


誤解のないようにしておくが、パソコン資格が決して有害無益だと言ってはいない。小生も、昔MOUSや情報処理の資格をもっている。もっていてソンだと思ったことはない。


ただ、それは就職に際しての必要条件であって十分条件ではない。


たとえば、エクセル(表計算ソフト)の有資格者であるAさんがある企業の事務職として就職したとしよう。Aさん担当営業マンのBさんから「昨年の得意先○○社の販売実績を出してくれ」と頼まれたときに、Aさんはどうすべきだろうか。


答えから言うと、出しようがないということである。勿論、社内慣習的なものは排除したものとして考える。


「販売実績」というワード自体くせものであることにAさんは気づかなければならない。

それはある商品についての「販売個数」なのか「売上額」なのか、「出荷実績」なのか「契約数」なのか。これだけではさっぱり意味不明である。そこでAさんとしてはまずその辺をBさんに問いたださなければならない。


Bさんからかえった答えが「売上額」ということであったとする。そしてそれは「商品ごとの売上額」とする。


そうすると、Aさんとしてはどうすべきか。


まず、与えられたデータベースからその情報が引き出せるかどうか考える必要がある。これはエクセルというよりもむしろアクセス(データベースソフト)の知識も絡んでくるが、MOUSであれば初級レベルでも当然やっているはずである。


具体的には、関数を使って導き出せる。問題は、「どの情報をBさんに与えるか」である。


Bさんの立場如何によっては、不開示情報もある。それはBさんの上司に確認をとるべきであろう。そして、重要なのが、「どういう順番で実績を作成するか」である。商品のあいうえお順なのか、発売日順なのか、商品重要度順なのか、これも確認をとる必要がある。


つまり、Aさんとしては「Bさんがどういう情報を必要としているのか」ということを、アナログレベルからデジタルレベルに変換する能力が求められているわけである。そのためには、Bさんに確認をとる作業が必要不可欠になり、時間の限られているAさんに対して何度もそれを行なうわけには行かない。つまり、一度で確認事項を迅速に発見し、それを実現する。それが事務職に求められる能力であると考える。


それを身につけるための最適の資格として、「初級シスアド」がある。国家資格であることから、ブランド力も高い。難易度もそれなりに高いが、認知度も高いため、事務職の方にはぜひとも取得してもらいたい資格であるといえるだろう。


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