
そして、ある年、私は一身上の都合で徳島に戻りました。
「ずっと田舎に帰りたかった。なんのあてもないけど、帰るなら今しかないかもな」
今のクルマに荷物を満載にして(今思えば過積載でした)
深夜の高速道路を走ったのを思いだします。
こらえきれず高槻あたりで号泣したのも思いだされます。
「人は、本当に寂しいと、声をあげて泣き叫ぶのだ」
そんなことを知った夜でした。
実家に先に残してきた白猫のミー太だけが心の支えでした。
徳島に戻ってしばらくは、仕事を探したり探さなかったり。
とにかく仕事がない!求人がない!こりゃ困ったぞ!
それよりもなによりも年齢的に厳しい!!(当時34歳)
・・・そんなわけで「どないしょ」と思いつつ、あちこち出かけてました。
上に書いた状況の割には、はた目からは呑気に見えていただろうと思います。
実際にも呑気でした(笑
岩盤浴の「福くら」さんとの出会いもこの頃でした。
そんなふらふらしていた時期、ある先輩に愚痴をこぼしたところ、
「そしたら・・・今、自分ができることをやってみたらいいんじゃない?」
そして、また別の機会に、県外で事業を展開している友達の家を訊ねてふと
「徳島はなかなか仕事がなくてなあ・・・」と相談したところ
彼が
「・・・そしたら自分でなんか起こすしかないよなぁ」
おそらく、二人とも何気ない一言だったんだと思います。
その二つの言葉が、ずっと心の中に残っていました。
そんなある日、
「今の自分というものは何ができて、何ができないか。できないことはどうすれば克服できるのか。または何かで補うことはできないのだろうか」
すなわち「自分を知る」という行動にでます。
さらに、突然本を読みだします。
ジャンルは具体的に起業関係のものから、まるで関係のないものまで、手当たりしだいに読みまくりました。
おそらく一か月ぐらいで300冊ぐらいの本を読み漁りました。
それでも、記憶に残っているのはたったの3冊程度です(笑
「何をやろうか・・・もっと先の夢であったけど、いつかやりたいと思っていた雑貨屋、もしやるならば絶対雑貨屋がしたい!大好きなことを仕事にしたい!」
・・・しかし、いつの世も問題は「先立つものがない」(笑 さてどうするか。
そして「まずはwebショップを立ちあげよう」と思いつきます。
低予算で、一人で全部やらないといけない。それよりも何しろ自分には経験がない。しかし常にどうすればできるのか?と考え続ければできるだろう。
そんなわけでwebショップ「白猫堂ノスタルジック」を立ちあげます。
今も大したものではありませんが(苦笑 当時はもっとどうしようもなく素人感満載でした。
まずモノがない。商品点数が6つぐらいしかない(笑
最初に難航したのは仕入れ先の確保でした。経験もない、立ちあげたばかりでなんの実績もない。門前払いも数知れず。
そんな中で理解のある業者さんと出会い、少ないながらも商品の取り扱いが始まります。
(今では、問屋さんのお問い合わせ欄の中にも(問屋さんによりますが)「自宅ショップ」という項目があるんですよ。隔絶の思いです)
しかし、立ちあげたものの・・・注文が来ない!!
そりゃそうです。立ちあげたことすらまだほとんどの人が知らない状況。
そんな日々が続く中、
ある日の朝
「今日も特に注文も何もないんだろなー」なんてPCを開いたところ
一件のメールが・・・
「あれ? ・・・注文が入ってる!!」
~これはとてつもなく長くなりそうなのでいつかに続く~