本日午前9時半より、恒例の初めての写経講座第4回を執り行わせていただきました。


50分間写経。

5分の読経。


そして、20分の質疑応答とミニ法話を行いました。


今年で3年目なのですが、初めて質問を受け付けました。


「自分が書写した写経を、病気の家族の部屋に備えても良いでしょうか?」


との質問がありました。


「お経は本来、生きている人のために説かれているものだから、構いませんよ」


と、お答えさせていただきました。


日本人の心の中には、


お経は亡くなった人のためにあげるものであって、生きている人に対してあげるのは縁起が悪いのではないか?


という、想いがあることがよくわかります。


おそらく、お経という言葉に対する第一印象、日本における仏教が弔いに結びついていることが影響していることが考えられます。


普段からお寺に暮らし、毎朝お堂に参禅し、経典の内容について学ぶ、私のような僧侶と、お葬式やご法事などの死者の弔い事の際に仏教の経典に接する在家の方々との捉え方の差異を改めて認識した次第です。


ある意味で、本当の勉強になりました。


ありがたいことです。


この世界に遅咲きで入った私ですが、すでに20年余りの時間を送りますと、以前は当たり前のように思っていたことが、いつのまにか遠ざかっていることがあります。


そのような視点を視野に入れた上で、お話をしないといけないな、と心を新たにしました。