「ギネス認定、世界最長寿犬が21歳で大往生」

世界最長寿の犬としてギネスブックに認定されたワイヤーヘアード・ダックスフントの雌犬シャネルが8月28日、米ニューヨーク州の飼い主の家で死んだ。


21歳。自然死で、人間なら147歳に相当する大往生だった。AP通信が31日伝えた。生後6週間で保護施設から引き取られ、晩年は白内障を患い、サングラスがシンボルマークに。今年5月の誕生日にギネス認定されたばかりだった。


(ニューヨーク 吉形祐司)

2009年9月2日15時03分 読売新聞)





つい最近以上の記事をみつけた。

正直驚いた。

驚いたというのはその「長寿」に対してではない。

「21歳」の犬が「世界最長寿」の犬であったということに対して驚いたのだ。

現在は死んでしまったが、私もお寺で犬を飼っていたことがある。



雲水ギロウのひとくちエッセイ-jhon

名前は「ジョン」。

真っ白の雑種で、父は紀州犬の血がかかっているんだろうと言っていた。

平成17年1月23日に没するまで齢21歳(満20歳)を生きた。

稀に見る長寿だった。

私が小学校5年生(昭和60年)の秋にもらってきた。

通っていた英語塾の先生の奥さんがキャディーをされていて、ゴルフ場に棄てられている野良犬がいるのを見つけ、誰か飼わないかというので私がもらってきたのがきっかけだった。

もらってきたときにはすでにある程度大きくなっていたので、1ヵ月~3ヵ月が経っていたのだと思うが、その年(昭和60年)に生れたのは間違いないだろう。

気性が荒く、家族以外には決してなつかなかった。

時には家族にも噛み付いた。

番犬としては優秀で、お客さんが来たりすると吠え続け決してあきらめなかった。

若い頃は夜に柵を抜け出し、朝になるといなくなっていたりした。

近所のおばさんが「どこどこでジョン君が野良犬の群れの中に混じって走ってたよ。」などと言われることも度々だったが、何日かするとお腹が減ったからか、ばつが悪そうな顔をしながらどこからか帰ってきた。

中年になると迷い込んできた子犬に自分のごはんを残してやったりしていた。

晩年は後ろ足が立たなくなり、目も見えにくそうで、耳も遠くなった。

おしっこも小屋の中に少し漏らしたりしているようだった。

最後の頃は認知症が出て足が動きにくいにもかかわらず、夜中に柵から出て徘徊し、朝になったらいなくなっているので探したら、寺の前を流れる古寺川の中でブルブル震えていたりした。

今から思うと人間の一生とそっくりだった。


だから、ギネス最高齢の犬の記事を見つけた時、ジョンと同じ年齢だったことに驚いたのだ。


そのことを祖母に話すと、「何か特別にお祀りしてやらないかんのじゃないか?」と言っていた。

ここに長年光蔵寺の番犬として仕えた白犬「如夢」に感謝の意を示したいと思う。