血の中に嵐を抱いて生まれた
この部屋には 少し醒めすぎていた
誰も口にはしない決まりごとを渡されて
それを破れば 私だけが責められた

肌の下に 消えない火を抱えていた
誰にも名づけられなかった ひとつのダイヤモンド
この世界が好きなのは
静かに揺れる小さな灯り
炎の熱を覚えている少女じゃない

だから 知らない人みたいに笑うことを覚えた
小さくなれと言われれば 自分を縮めた
自分に価値があると証明することだけ
いつの間にか 上手になっていた
何も見ようとしない人たちに

ああ これが才能という呪い
自分が何になれたはずなのか 知ってしまうこと
魂の中に いくつもの歌が響いているのに
世界には ひとつの音しかないと言われること

そして憎い
鏡の中から見つめ返す自分が
裏切ってしまった あの頃の少女の影が
雷鳴と稲妻でできた翼を持っていたのに
その翼を 重たいものの下に埋めてしまった

海を越えた
胸の鼓動だけを 連れて
生まれた場所とは違うところに 居場所を作った
言葉を覚え 新しい人生を覚えた
それでも夜明けには
自分がただの影みたいに思えた

人は紙切れで測られる
肩書きで 名前で
壁に飾られた証明書で
誰も聞こうとはしない
誰にも呼ばれなかった場所で
どれだけの山を越えてきたのかなんて

そして 沈黙のいちばん残酷なところは
いつしか頭の中に生まれる声

「もしかしたら あの人たちが正しいのかもしれない」
「私は何者でもないのかもしれない」
「夢なんて もう捨てたほうがいいのかもしれない」

ああ これが才能という呪い
刃物みたいに 祝福そのものが傷つけてくる
遠くに いくつもの扉が見えているのに
それでも生きる場所を
誰かに乞わなければならない

私は 自分の物語の中の悪役
被害者であり 女王であり 盗人でもある
悲しみごと埋められた王国から
自分自身の欠片を ひとつずつ盗み返している

それでも 灰の下のどこかで
頑固な鼓動が まだ消えずにいる
本を抱えて ひとつの問いを胸に
雨の中で ひとり踊り続ける少女

彼女は小さな声で言う

「あなたは 誰かに測られたものじゃない
誰かが見つけられなかったものでもない
閉ざされた扉だって
扉であることに変わりはない
私みたいな誰かを
ただ待っているだけ」

ああ これが才能という呪い
誰にも知られることのない世界を
ひとりで抱えて生きること
近づこうともしなかった人たちの
認めてほしくて
自分自身を見失ってしまうこと

でも あの火は
失敗なんかじゃなかったのかもしれない
あの傷は
間違いじゃなかった証だったのかもしれない

何年ものあいだ
誰にも見向きもされなかったあの少女こそ
ずっと真実を語っていたのかもしれない

だから 私の隣には幽霊たちを連れて歩く
傷跡には 金色の衣をまとわせて
忘れ去られそうになった心を抱えて
それでも 折れることを知らない

これが 才能という呪い……

そして もしかしたら
その呪いを生き抜いたことこそが
本当の贈り物なのかもしれない

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