茜ちゃんが塾の宿題に取り組んでいるとき、久々に大変メールがあった。
お兄ちゃん、まひろちゃんが大変、じゃなくて、変なの。私もなんだけど。茜ちゃんの勉強終わったらおうちに来てくれないかな。お願いね。
それ以来茜は私の前で泣かなくなった。塾の宿題を終え、私は書店で三冊の本と多少難しい問題集を買った。問題集は計算の苦手な茜ちゃんには少し難しいので半分位を課題にした。
約10日後茜宅を訪れると茜は玄関で迎えてくれた。机の本を手にして質問をすると的確に答える、良く読めてるよ、と言うと、茜ね先生、これを聞くだろうなって考えながら読んだんだ。そしたら本が面白くなっちゃって2日で三冊全部読めちゃった。だから全部繰り返して読んだよ。じゃ、算数やろうかと言うと茜はニコニコ笑って問題集を差し出した。見ると全部やってある。今日の宿題に取り組ませたながら答の確認をした。
涙がノートにぽたぽた落ちた。長いまつ毛にも涙が小さい水滴になってついている。涙でノートに数字が書けなくなった。
別の紙を渡し、じゃ、検算してごらん。そう言うと商にかける数をかけ、その結果に余りを足そうとした時、あっ、と声を上げた。割られる数は整数であるが、このままでは、整数にならない。余りの少数点の位置をずらすと少数が次々繰り上かり、整数になる。そうだったと言い、余りの少数点を正しい位置に移動した時。今日も泣いてしまったけどこの前とは違うよね。この前は、もうやりたくないという涙だったね。今日は、なんでできないんだっていう悔しい涙なんだよね。良く頑張ったね。じゃ、宿題やろうか。
にっこり笑った茜ちゃんは、もう一筋涙を流した。