私は、東家につかえるメイド。生まれついてのメイド。母も東家のメイドだから。一代で財をなした先代の社長が、事務員だった母を見初め、破格の条件で東家のメイドにした。その条件は
・1日中の勤務ということで三倍の賃金。
・母の両親に家を与え、生涯に渡っての完全な支援。・当時高校生だった母の弟の大学までの学費、生活費さらに社長の会社の関連会社への就職の保証。
・年間50日の休暇保証
以上、大変な待遇である。それだけの対価を使っても住まわせたいという美貌と魅力を母は持っていた。
東家に仕え20年が過ぎ、40を過ぎた母であるが、まだ女性としての魅力は全く衰えていない。
二十歳を迎えた私が仕事をするようになり、母は来客などで忙しい日に仕事をする。日常の仕事は、私がしている。そういった勤務の割り振りは全て母に任せられている。20年間の仕事を通して、母は東家から絶大なる信頼を獲得してきた。そんな母の能力、性格を見極めた先代社長の眼力は確かであった。
まあ、お母さんったら、大丈夫?それって一歩間違えたら、お兄ちゃん、まひろのパパになってたじゃない。二人共、まひろに心配かけないでね。だいたいお兄ちゃんの彼女は何してんの。話があらぬ方向に向いたところで、この日は帰ることにした。
帰り際にまひろちゃんは追い討ちをかけるように、お兄ちゃん、茜ちゃんにかけた魔法もなんとかしてよね。茜ちゃん、今お兄ちゃん命なんだから。そう言って二階に上がって行った。
茜ママには、ボーナスで自転車を買ってもらった。まひろママは、お兄ちゃん良かったね。と、本当の母親のように喜んでくれた。本当なら私達もお礼しなくちゃね。なんて言うから、お母さん何言ってんの。妹の面倒見てるんだよ。あたり前なんだよ。いつもご馳走してもらってるし、いいんだよ。そう言うとまひろママは、お兄ちゃんがいて良かった。と言って泣いてしまった。
そばでまひろちゃんがお兄ちゃん、お母さんが泣くの見たかったんでしょ。全く知能犯なんだから。お母さんの心を弄んで、喜んでるんでしょ。
まひろちゃんは全く鋭い。まひろちゃんの前では、お母さんが可愛いく見える。全くお兄ちゃんは、ずるいよ。茜ちゃんが勉強できるようになったのも、お兄ちゃんに褒めてもらいたいからだよね。それは、ある意味まひろも同じだけどね。ママの買い物依存もいつのまにか治ってるし。それを聞いてまひろママは顔を上げ、ニッコリ笑った。
そして、まひろちゃんゴメンね。前にその病気のことお兄ちゃんに話したの。そしたらお兄ちゃんママとデートしてくれたの。一緒に映画見たの。その時ずっと手を握ってた。お兄ちゃんの手から、お母さん頑張って、寂しくたってまひろちゃんと僕がいるよ。って伝わってきたの。