組織のクラッシュシンドローム | 神泉で働くイノマル社長のブログ

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神戸の大震災で最も死亡要因となったのは圧迫死ではなく、
クラッシュシンドロームでした。

理系の経営者やコンサルタントが、
経営や組織を物理学的、科学的に捉えることが多くありますが、
組織を医学的に捉えると、
多くの中小企業、日本自体にもクラッシュシンドロームが存在します。

日本の中小企業の組織の診断結果は大半がクラッシュシンドロームです。
一方で、ベンチャー企業には、パトロン型リーダーが存在するので、
クラッシュシンドロームには至りません。
中小企業にもパトロン型のリーダーを中途採用で入れたら、
急激に組織が生き返ることもあるかも知れません。
医療現場でのビカーボンと捉えられるでしょう。

V字回復の経営で三枝さんが説明している変革でも、
情熱を持って変革を起こす中心メンバーは、
パトロン型のリーダーによって眠っていた宝の人材を
目覚めさせたところがスタートでした。

また、人材レベル自体が高いのでそもそも
その現象が起こらないということもいえるかも知れません。


『優秀な人材は採用できている。でも、入社してみると
静かになっちゃうんだ。なんか型にはまっててつまらないよね。
一体何が原因なんだろう』

一見ベンチャー企業に見える中小企業の複数の社長が
同じようなことを言っていました。
この会社の中間層が原因だろうと要因に想像がつきます。


中間層が育たないと業績は伸びないし、組織もできない。
一方で、中間層の人材レベルが低ければ新中間層理論より、
企業成長をストップさせてしまう。
あるいは、中間層育成を間違ってしまうと、
企業成長に蓋をして、クラッシュシンドロームを引き起こす。


ピラミッド型組織をトップ、中間、下層に分類した時、
●トップ-中間層間
・トップの育成怠慢、中間層の成長怠慢・中間層レベル低に伴うギャップ
●中間-下層間
・中間層のチームビルディング非成立
・クラッシュシンドローム

各層間にそれぞれ特有の問題が存在し、
これが企業成長を腐敗させ、中小企業を生む。
結果、事業レベルでどんなに優秀な社長でも、
人材、組織疾患に伴う戦略制限により、
企業規模・売り上げ規模に限界を迎えてしまうのである。