米ソの冷戦で米国が最終的に勝ったのは、軍備増強の競争に持ち込んで、ソ連を財政難にさせたから、らしい。


中国は、この戦略を周辺国へ展開しているように見える。これは、兵法三十六計でいう、明修桟道暗渡陳倉という戦略ではなかろうか。


中国が軍事増強して、効果的なタイミングで軍事訓練をすれば、日本をはじめとした周辺国には、当然の驚異になる。


ロシアによるウクライナ侵略もあるので、軍事費は増額せざるを得ない。


軍事で攻めるぞ攻めるぞ、と見せるのがこの明修桟道暗渡陳倉の戦略のキモ。


中国としては、1度でも負ければ共産党が崩壊しかねないので、実は軍事によるドンパチはしないだろう。


真の狙いは、軍拡競争(明修桟道)で相手国の財政を疲弊させること。


その陰で、資金力を活かして資源物流を押さえ、経済的に支配すること(暗渡陳倉)。


軍事産業は生産ラインを維持することがネックなので、一度稼働させれば、国は補助せざるを得ない。そうして赤字財政の慢性化を増長する。


財政難のため、国による人材などへの投資が減れば、長期的に国力は衰退する。企業の競争力も弱くなる。


ここが狙い目ではなかろうか。


あとは、親切な提案をしながら相手国の資源人材を買い漁り、ある程度支配したところで、経済的な攻勢をかければよい。


中国は、軍事を増やして訓練するだけで、周辺国は疲弊し、中国の助けを求める。こんなうまい話ではなかろうか。