しづやしづ 賤(しず)のをだまきくり返し
昔を今に なすよしもがな
京都から戻った16日に由美ママは、
『オテル・ドゥ・ミクニ』の三國清三オーナーシェフのご縁で、
「八月花形歌舞伎」http://www.kabuki-bito.jp/
“第一部”観劇へと出かけました
三國シェフ・・・と云えば
この夏の華やかな話題を独占した
“海老&真央”披露宴の食事を
担当された縁もあり、
由美ママも「新橋演舞場」で初めて
真央さんを紹介していただきましたが、
あまりのかわいらしさに
思わずため息がでるほどでした・・・
「雪月花」“篝火”
“ちらしすし”
さて、“海老蔵祭り”のごとく
第一部の演目は、
元は人形浄瑠璃の名作「義経千本桜」からですが、
佐藤忠信と“狐忠信”の二役を演じるこの作品は、
歌舞伎の「三大義太夫狂言」のひとつである
有名な作品とされています。
そのあらすじは・・・
義経の家来の忠信に化けた“子狐”が、
義経が「静御前」に渡した“初音の鼓”を
追い続ける親子の情愛を描いた物語ですが、
実はこの“子狐”の親は、
すでに“鼓の皮”になってしまっており、
その皮になった“鼓”を慕って、
“狐の忠信”が静御前を追い続けていくという悲しいお話です・・・
海老蔵氏自身も同じ演目で演じた
ロンドン公演前のインタビューに於いて・・・
↓↓↓
「この作品を選んだのは、
現代社会で希薄になりつつある親子関係、
特に親に対する感謝の念を思い出してほしいと思ったからです。
また、両親を思う気持ちは世界共通のもの。
このテーマなら言葉の壁を超えて伝わるとも思いました。
人間の情愛や親への思い、
親への感謝の気持ちを口に出して伝えてほしいという
僕なりのアプローチですが、
親に対する真っすぐな愛が感じられるよう演じたいですね」と語り、
「実際には、多くの人が、
親が亡くなってから親への思いに気づき、
感謝の気持ちをいえなかったことを後悔するものですよね・・・」
と熱く語っていますが、
そんな海老蔵氏は、
「以前は両親に対する感謝の気持ちを素直に表現できなかった一人。
心では思っていても『ありがとう』の言葉をあえて口にすることはなかった・・・」
そうですから、
きっと父・團十郎氏の大病が彼に大きな変化をもたらしたのでしょうね・・・
http://www.kddi.com/business/oyakudachi/square/closeup/025/index.html
そんな思いで観た「義経千本桜」は・・・
↓↓↓
「父の大病で家族の大切さや両親のありがたさ、
自分の幸せな環境が分かるようになりました。
それからは、愛情や感謝の気持ちを言葉に出すことが大切だと思うように、
気持ちが大きく変わっていきました・・・」との
海老蔵氏自らの心境の変化を
強く反映して演じ切り、
海老蔵得意の荒事をはじめとして、
静御前との見事な舞踊、
そして見せ場が盛りたくさんの芝居・・・など、
初めて歌舞伎を観る方にも
十分に愉しめる素晴らしい舞台でした
ところで掲歌には、
「静御前」が
義経を恋慕う歌を引用しましたが、
物語の中で“忠信狐”に助けられた「静御前」は、
この後、兄頼朝に疎まれた義経と共に西国に逃れ、
あちこちと移動し、
吉野で義経とはぐれた後に
ついには捕らえられ鎌倉に送られてまいます・・・
そして鶴岡八幡宮で奉納の舞を舞うように
頼朝から言われた際、
「吉野山 峰の白雪ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき・・・」と
義経を恋うる上記歌に続き
この有名な歌を口にして舞い、
その為に頼朝を怒らせてしまい、
生まれた子どもを海に沈められたと伝えられています・・・
“忠信狐”の里「伏見稲荷大社」 http://ameblo.jp/ginzayumimama/entry-10425941294.html
(2010年1月4日号)
このお盆には京都にて『伏見稲荷大社』へ
参拝したばかりでしたから、
海老蔵演ずる“子狐”が妙に可愛く思え、
「義経千本桜」の名場面に感激したひとときでした・・・