目には青葉 山ほととぎす はつ鰹
―山口素堂
この時季の酒の肴は“初鰹”!
初夏の肴は「初鰹にがぎる!」とは、よく耳にしますが、
江戸時代の俳人・山口素堂は、
掲句のごとく「旬で味わう江戸の初鰹・・・」と、
生き生きとした新緑の頃の情景として
この初夏の風物詩“鰹”を句に詠みました!
またこの句以外にも、“初鰹”は句に多く詠まれていますが、
そのひとつに
「目と耳は 只だが 口は銭いがいり・・・」と、
素堂の名句を下敷きにした面白い句もあり、
その意味は・・・
「初夏の楽しみのうち、
目で見る青葉やほととぎすの声はタダですが、
口で食べる初鰹だけはお金がかかる・・・」と、
この時代の江戸では、ことのほか“初鰹”を珍重し、
驚くほどの高値で取引されていたことが分かりますね。
また、武士にとって“鰹”は“勝男”でもあり縁起もよく、
ちなみに、1812年の“初鰹”取引記録によると、
「日本橋魚河岸に入荷した初鰹2尾を、
将軍に愛された料亭「江戸善」が、
大工1ヶ月分の金額2両1分で購入した・・・」と書かれています!
そんな“鰹”には、健康増進に役立つビタミンB群や、
ナイアシン、鉄、タウリンがたっぷり含まれ、
中でも、ナイアシンは二日酔いや悪酔いを防ぐ作用があり、
まさに“酒の肴”に相応しいとは、まこと理にかなっていますね!
先週由美ママは、久しぶりに贔屓の老舗天ぷら店『由松(よしまつ)』へと出かけました。
http://ameblo.jp/ginzayumimama/entry-10258721306.html (2009年5月11日号他)
ところで「山口素堂」ですが、
この句ほどにその名を知られていないようで、
出は甲州は韮崎。
家督を弟に譲り、江戸に出た後、林春斎に漢学を学び、
その他、儒学・書道・漢詩・能楽・和歌にも通じた当時稀にみる教養人で、
松尾芭蕉との親交も深く、蕉門の客分的存在でもあり、
芭蕉の新風樹立にあたり、大きな力となったとも云われています。
孫サイズの“天茶”
“日本一美味しい”京風天ぷら『由松』は、お値段も老舗のこだわりや貫禄から、“超高級(30000円~)”ですが、先ずはランチの“天丼”から食べることをお薦めします!
時鳥 鰹を染めに けりけらし
―芭蕉
由美ママは、初夏のふり注ぐ太陽のもと、そんな「素堂」の生誕の地、
白州町(山梨県)と富士見町(長野県)の県境で、
「山口」の地名で呼ばれる“国界”へ、
近いうち出かけたく思っておりますので、
今週も太陽の恩恵をたっぷりと体内に受け、エネルギー漲るよき一週間をお過ごし下さい!!!