「銀座由美ママの心意気」5月10日のブログに、すでに登場していますが、由美ママが25年来通っている「ふぐ福治」は、夏には“鱧”“天然うなぎ”“天然穴子”“天然すっぽん鍋”(前日の予約のみ)の季節を迎えます。
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梅雨の水を飲んで美味くなる・・・と言われる“鱧(はも)”とは、元は関西が本場の料理で、今でこそ東京でも“鱧”を出すお店は増えてきましたが、、長い間、関東人は“鱧”に興味をもつことがありませんでした・・・
「ふぐ福治」“鱧梅肉”と“鱧唐揚げ”
その例として、小津安二郎の映画「秋刀魚の味」(1962年)のひとコマを紹介しますが、この映画は、小津監督の遺作で、「人生とは、ほろ苦い秋刀魚の腸のようなもの・・・」との“小津映画”の哀愁漂う作品です。
映画の中のひとコマ・・・とは、銀座の路地裏?に在る「若松」という小料理屋で、笠智衆や中村伸郎、北 竜二の三人が、中学時代の恩師である東野英次郎(今や落ちぶれてしまっている)を、小料理屋に招待して、もてなすという場面があり、そこに出てくるのが“鱧料理”で、東野が生まれて初めて鱧を口にして、「こりゃあ、うまい。これは何だ?」と問いかけるシーンがあります。
そして、食べはじめた“東野恩師”が突然に箸を止めて、「これが鱧ですか、魚偏に豊・・・」と言う台詞が印象的で、その陰で、「先生は、鱧を食ったことがないんだ・・・」と、ひそひそ声でささやき合うシーンが描かれていて、今や成功した教え子たちの姿を対照として映し出し、人生に於いて、何を食べ何を食べないできたか・・・で、その人の来歴が知れてしまう。
そんなことを、“小津映画”のこのひとコマは、さりげなく、しかし鋭く描いていました。
圧巻は“鱧しゃぶ”
“小津映画”で、「魚偏に豊・・・」のこの漢字を知り、“鱧”の一字を覚えましたが、それから名古屋育ちの由美ママは、しばらく“鱧”を食べたこともなく、実際に“鱧”を食べたのは、かなり後年の事でした・・・
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