昭和27年に銀座に出店した老舗「天ぷら由松」は、8丁目電通通り裏の、ひっそりした路地に存在しています。
その佇まいからは一見“天ぷら屋”には見えない趣きですが、銀座では“通”に愛される名店として知られている他、ご主人・榊原充三氏のジャズメンとしての一面や、“トラキチ”としてもその名を馳せています・・・(笑)
「由松」は、元は先代が京都から銀座に出店した「京星」という店名が発祥で、日本で最初に天ぷらを塩とレモン汁で食べさせた店としても有名です。
私はその「京星」時代から、30年近く通っていますが、店名が「由松」に変わったのは、2002年9月頃で、充三氏の父でもある先代・榊原由松氏の名を冠しました。
若かれし頃は、よく「小巻海老を何本食べたのかしら・・・?」と、数えてみようと思いながらも、あまりの美味しさに我を忘れ、いつの間にか満腹となってしまった記憶が甦りますが、小巻海老を中心に旬の野菜や、旬魚が順々に出てきて、また小巻海老に戻る・・・という繰り返しのコースは、十分な満足感です。
「由松」の天ぷらは素材が透き通って見えるほど衣が薄いので、さっぱりと素材そのものの良さが引立ち、この時季は、旬の山菜や稚鮎など新鮮で上質な素材をたくさん揚げてくれます。
“きす”や“イカ”は定番
由美ママ好みの食事は“天茶”で、その日のお腹具合によって“子供天茶”や“孫天茶”を頼んでいます。
“日本一美味しい”天ぷら「由松」ですが、お値段も老舗のこだわりや貫禄から、高級(30000~)ですから、ランチの“天丼”から食べることをお薦めします。