サル100頭が民家を取り囲む 鹿が1万頭も | 生野タイムズ ふちもと稔 (竹田城・生野銀山)

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猿の惑星状態に陥る
 
昨日、南但広域行政事務組合議会の総務委員会で、鳥獣害共済基金特別事業を本年度3月31日限りで廃止する条例改正が審査され、全会一致で可決すべきものと決定しました。2月22日の本会議で可決される見込みです。
 


南但地域における鹿・熊・猿・ヌートリア等による農作物への鳥獣被害は甚大なものがあり、農家の意欲を失わせています。

このため、自治体の各種施策と共に、県が鳥獣害共済基金事業を策定して各自治体や広域行政が取り組みだしたのですが、制度設計が悪く、農家にとって使い勝手の悪い施策であり、共済基金に加入するメリットが見いだせなかったのです。

鳥獣害共済基金事業は、防護柵の設置など鳥獣被害対策に取り組んでいることが加入条件となり、農地10アールあたりの年間の掛け金は、農家1万円、県2万円、市町1万円。農地の半分以上が鳥獣被害にあった場合に、被害面積10アールあたり4万円が農家に支払われるというものです。
 


先に自分で防護柵を設置しなければならず、また被害面積が農地の半分以上と条件が高く、四分の一、三分の一程度の被害が何回かに分けて繰り返される実態に合わないのです。
このため、南但地域でも共済基金事業に加入する農家は無く、この制度が空洞化していましたので、廃止はやむを得ない措置です。

県の推計では、南但地域に鹿が1万頭以上棲息しており、猿は神河町との境界付近に3グループ計300頭以上おり、農作物に大きな被害をもたらしています。

鳥獣害対策は待ったなしの状況です。

猟友会を中心とした有害鳥獣対策協議会の活動に助成金を出していますが、猟友会のメンバーも高齢化により活発な活動を展開する状況にはありません。

100頭以上の猿が民家を取り囲む状況は、まるで「猿の惑星」であり、人々の生活に大きな影響を与えています。

知恵を絞り、抜本的な対策が必要です。