播磨と但馬、そしてフランスと結ぶ時空の「銀の馬車道」 | 生野タイムズ ふちもと稔 (竹田城・生野銀山)

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人と地域を紡ぐ鉱山遺産群
 
めざせ日本遺産「銀の馬車道」「鉱石の道」フォーラムが5日、生野マインホールで開かれました。
 
会場は立ち見であふれる520人もの人が集い、熱気あふれるフォーラムとなりました。
 
 
明治9年に完成した「銀の馬車道」は、生野銀山と姫路・飾磨港の49kmを、鉱石や機械を早く輸送するために、フランスから招いたシスレー等の技術者によって、大小の砂利を敷き詰めた日本最初の産業高速道路です。
 
この沿線の宿場町は、明治の近代化とともに栄えました。
 
 
さらに北の、明延鉱山、中瀬鉱山を結ぶ「鉱石の道」で、当時の資源大国日本の記憶をたどる73kmの轍であります。
 
奈良の大仏を造るために銅を掘り起こし、都に献上したという伝承が地域の誇りとなって幾百年も語られてきました。
 
 
姫路市、福崎町、市川町、神河町、朝来市、養父市にまたがる国内最大規模の鉱山遺産群をストーリーにして、日本遺産登録をめざそうとするものです。
 
フォーラムには、谷公一・松本剛明衆議院議員、藤田孝夫県会議長や地元の県会議員、神戸新聞社が来賓として出席され、それぞれ激励のあいさつをいただきました。
 
構成市町から、多次勝昭・朝来市長、石見利勝・姫路市長、広瀬栄・養父市長、山名宗悟・神河町長、岩見武三・市川町長、橋本省三・福崎町長から熱意のこもったあいさつ、日本遺産登録に向けたアピールが行われました。
 
 
続いて朝来市から、改めて「銀の馬車道」と「鉱石の道」について、概要が報告されました。
 
パネルディスカッションでは、小野康裕・播但沿線活性化協議会代表、白井智子・姫路日仏協会会長、桐山徹郎・NPОいくのライブミュージアム理事長、前畑温子・産業遺産写真家の4人と、コーディネーターに阪本浩之・神戸新聞社パートナーセンター地域連携室長により、それぞれの立場から取り組みと今後の期待、めざすべき方向について語っていただきました。
 
 
予定時間を30分も超える熱心な討論が行われ、「銀の馬車道」と「鉱石の道」を日本遺産登録することによる地域の活性化、人々の結びつきについて熱く語られました。
 
日本遺産登録をめざそうとする取り組み、過程、住民の志・希望、これらが大切だと思います。そこから地域の絆と、活性化へと結びつくものでしょう。
 
日本遺産登録の審査結果は、4月に発表される予定です。