銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です
卵巣がんの組織型について、過去にブログにまとめました
最も多いタイプは漿液性がんなのですが、漿液性がんは高異型度と低異型度に分かれます。
高異型度の特徴
・漿液性がんの95%を占める
・化学療法がよく効く
・再発しやすい
低異型度の特徴
・漿液性がんの5%しかない
・若年者に多い
・高異型度よりも予後が良い
・抗がん剤が効きにくい
・KRASやBRAF遺伝子異常が見られる
低異型度漿液性がんは、いわゆる漿液性がんの特徴とは大きく異なり、化学療法の選択に苦慮していました。
しかし、KRASやBRAFなどの異常に対応する薬剤が登場し、二次治療以降でも高い奏効率が見られました。
その臨床試験がこちら。

難しいので詳細は省略しますが
RAF/MEK阻害薬 アブトメチニブ
+
AK阻害薬 デファクチニブ
の併用療法が、奏功期間31か月と言う信じられないような結果を出しました。
これはすごい結果で、第3相試験も期待大です。
日本でも2025年6月より第3相試験が始まっているので、該当する方は治験を問い合わせてみてください。
ただ、この治療法は副作用がなかなか大変そうです、、、
悪心(67%)、下痢(58%)、浮腫(53%)、発疹(50%)、疲労(44%)、視覚異常(41%)
やはり分子標的薬の2剤併用は、副作用が厳しいですね。
卵巣がんは他にも期待される新薬があるので、5年後くらいには卵巣がん治療が大きく変わっているかもしれません。
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