銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です
前回のステージ0の続き
今回は、ステージ1-4の治療法です
ステージ1、2、3Aの場合は、手術先行でも薬物療法先行でもどちらでもよいとされています
この場合の薬物療法と言うのは、主に抗がん剤治療のことで、HER2陽性の場合には抗HER2薬が併用されます
手術先行でも薬物療法先行でも生存率に差がなく生命予後は変わらないので
・ステージ2→1などステージが下がる
・しこりが縮小して温存手術が可能になる
などのメリットを鑑みて決める
というのが長年の考え方でした
しかし、最近では"術前薬物療法を先行した方が予後が良いケースがあり、メリットが大きい”ということが分かってきました
この辺りはいずれ詳しく説明します
次回のガイドラインからは、ステージ2以上の場合には、術前薬物療法が勧められ、今後薬物療法を先行するケースが増えてくると思います
ステージ3Bと3Cの場合には、遠隔転移はないものの手術が困難で、薬物療法が先行されます
ステージ3の分類
3B:しこりが胸壁や皮膚に浸潤していて取り切れない
3C:内胸リンパ節や鎖骨上リンパ節に転移があり取り切れない
といった理由で、薬物療法で小さくして完全切除(取り切れる手術)が可能になったら手術を行うという感じです
術前の薬物療法で手術可能にならなければ、ステージ4と同じ治療になります
ステージ4は手術で取り切るのは不可能なので、はじめから薬物療法を行います
手術は行われず、最期まで薬物療法を続けることになります
完全に取り切れないにしても、原発巣のコントロールを目的に手術を行うことがあります
ガイドラインではこんな感じです
原発の乳がんを手術する意義は、延命目的ではなく、においや潰瘍などの局所の問題を解決するために行うのはアリという結論になっています
ステージ4で手術をしないと、皮膚浸潤してくることが多く、いわゆる花咲きになります
花咲きになると、手術が大変なのと、延命効果はないというのを盾に、頑なにやらないという先生が多いですが、、、
次回から手術と薬物療法について詳しく説明していきます
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