銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

こんな記事がありました

 

内容は難しいので端折りますが、

 

脳転移した肺がん細胞は、脳の神経細胞から分泌される物質を使って、がん細胞を成長させるタンパク質を作り出すことが分かった

将来的に、このたんぱく質を阻害する薬ができれば、脳転移を制御することが可能になるかもしれない

 

ということのようです

 

 

と、この話はここで終了で、記事にもありましたが

 

脳には強力なバリアがあり、多くの薬剤や白血球がそのバリアを超えられない

 

ということについて少しだけ

 

 

脳転移には抗がん剤が効きにくいので、多くの場合、放射線治療が選択されます

 

ただし脳のバリアを越えて効きやすい薬剤の場合には、放射線治療よりも薬物療法を優先することがあります

 

ちなみに、肺がんではペメトレキセド(アリムタ)という抗がん剤と、タグリッソという分子標的薬が脳のバリアを越えて効きやすい薬剤です

 

 

脳転移の治療について、国立がん研究センターのスライドが分かりやすかったです

 

 

照射法について補足

 

①定位放射線照射

脳腫瘍にのみ高線量を(基本的に)1回照射して脳腫瘍の根治を目指す

*2-5回に分割する施設もあります

 

②全脳照射

・①より少ない線量を複数回(10-15回)照射し、脳腫瘍+全体の再発予防目的に照射する

・線量が少ないので既存の脳腫瘍の再発率が高くなる

 

 

全脳照射の問題点は、脳全体に照射するので正常な脳細胞も一部死滅してしまい、認知機能が低下する可能性があることです

 

昔は脳転移があると1年持たずに亡くなっていた、つまり認知機能の低下が問題になる前に亡くなっていたので、あまり話題になることはありませんでした

 

現在は抗がん剤や分子標的薬が発達し、脳転移があっても長期生存する症例が増えてきたので、長期的に見て、脳転移は予防したけど認知症になってしまったという問題がでてきたのです

 

文献にもよりますが、全脳照射後に45-91%で認知機能低下が見られるとの報告があります

 


認知機能低下を予防する目的で、記憶を司る海馬(かいば)という箇所をさせて全脳照射を行った臨床試験があります

 

それによると3か月後の認知機能低下発生率に差が出ていました

ちなみに、これ、3か月後ですからね

 

 

脳転移の治療はなかなか大変ですが、私は自由診療側の人間なので、脳転移と自由診療の治療についてもちょっとだけお話しを

 

実は、免疫細胞療法や遺伝子治療と言った治療も脳転移には、あまり効果が期待できません

 

それはやはり脳のバリアを越えられないからなのですが、放射線治療を行ったり脳の手術をした後の患者さんではバリアが壊れ、効くようになることがあります

*エビデンスはなく経験則によるものです

 

これもエビデンスはありませんが、CBD(カンナビジオール)で全脳照射後の認知機能低下を予防できる可能性があります

 

全脳照射後4年ほどCBDオイルを使用してい患者さんがいますが、脳の萎縮や認知機能低下が全く見られていません

 

まあ、たまたまと言われたらそれまでですが、CBDには神経保護作用のおかげかなと思っています

 

 

何だかまとまりのない文章になっちゃいました、、、

 

 

 

 

 

 

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