銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

最近、そんな患者さんが続いたので、ちょっと書いてみます

 

がんの手術は、まず皮膚を切開します

 

切開した皮膚を開いて、切除したがんを体外に取り出すのですが、その際に傷口にがん細胞を付いてしまい、傷の部位に再発することがあります

 

皮膚がんでたまに見られますが、大腸がんなどの内臓のがんでも見られます

 

傷口の再発(創部再発と言います)を防ぐことは、外科医にとっては最大の課題です

 

 

体外に取り出す際に、皮膚に触れることなく完璧に取り出したと思ってもなぜか再発してしまいます

 

通常は半年以内に起こりますが、まれに数年経ってから起こることもあります

 

 

私も外科医として様々な手術をしていましたが、創部再発を防ぐために様々な工夫をしていました

 

①がん細胞に触れずに、塊を切除するように

 

②創部をビニール等で覆い、創部にがん細胞が付着しないようにする

 

③創部を温めた蒸留水(45℃以上)で洗い、がん細胞を死滅させる

 

などは、外科医なら誰でもやったことがあります

 

ただ、そこまで徹底的にやっても、再発してしまうのですが、、、

 

 

あとは、胸腔鏡/腹腔鏡手術で操作用のポートを入れていた箇所や腹水や胸水を抜く時のドレーン(管)が入っていた箇所に再発することもあります

 

 

とりとめもない文章になっちゃいそうですが、何が言いたいかというと

 

傷の部分ははじめの1か月くらいは硬く、その後数か月くらいかけて柔らかくなってきます

 

柔らかくなっていくはずなのに硬いしこりが触れるようになったら、創部再発を疑って早めに主治医に相談してください

 

 

 

術者として、創部再発はかなりガックリくるし、認めたくないものです

 

手術で完全に切除したのに創部に再発するはずがない

 

と言い張って認めたがらずに、診断が送れるケースもあります

 

おかしいと思ったら、遠慮せずに

 

 

あと、創部のしこりでたまにあるのが、腹壁瘢痕(はんこん)ヘルニアです

 

筋肉の部分が開いて(皮膚は閉じている)、腸が飛び出してきて塊として触れます

 

腹壁瘢痕ヘルニアの特徴は、横になるなどして腹圧がかからない状態になったら、しこりが凹んだり触れなくなったりします

 

 

 

 

 

 

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