銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

先日来院された、とあるがんの患者さん

(背景はちょと変えてあります)

 

生来お元気な方で、ほとんど風邪もひかないし、病院も全く行ったことが無い

 

そんな方が右肩甲骨があまりにも痛くて病院受診し、レントゲンを撮ったところ、右肺が真っ白になっているのが写っていて、慌てて整形外科→内科に紹介された

 

CTを撮影すると、以下の所見が見られた

・右肺の胸水貯留

・肝臓の巨大腫瘍(20㎝大)

・子宮と卵巣が一塊となった腫瘍

・少量の腹水貯留

 

診断は、子宮 or 卵巣がんの肝転移、肺転移

 

初診時のCTを見せてもらいましたが、巨大な肝転移は肝臓の表面から飛び出しており、いつ破裂してもおかしくない感じです

 

結局、右肩甲骨の痛みは巨大肝腫瘍からの関連痛でした

 

 

 

さて、そんなCTを見た内科医は慌てて、院内の婦人科医へ紹介します

 

婦人科の外来医師は、今にも破裂しそうな肝臓を見て、

 

余命は1、2か月

ただし、もっと短くてもおかしくない

余命が短いので抗がん剤もできない

 

と説明され、翌日の緩和ケア外来を予約されて帰宅

 

 

右肩甲骨の痛み以外は元気で食欲も旺盛な患者さん

 

いきなり余命宣告され、治療ができないと言われ、茫然自失です

 

 

そんな中、その日の夜に病院から電話がかかって来て

 

婦人科の○○と言います

今日私が診察したわけではないですが、(婦人科外来で話題になっていたので)△△さんの姿をちらっと拝見しました

画像を見て確かに厳しい状況ではあるのですが、△△さんがあまりにも元気そうなので、抗がん剤治療をやってみる価値があると、私は思いました

どうせ死ぬというのであれば、抗がん剤治療してみませんか?

 

と、婦人科の別の医師から言われたそうです

 

 

この感じは、中規模病院だからこそできることかもしれません

 

天国から地獄に落とされた患者さんに、(言い方はあれですが)その日のうちに希望の光が灯されました

 

 

結局、卵巣がんにも子宮体がんにも適応できるEC療法を6クール行い、現在二次治療中で、診断からもうすぐ1年が経ちます

 

肝転移も破裂の心配がないくらいの大きさで推移しているようです

 

 

患者さんはこのブログを毎日読んでくれているらしく、当院には高濃度ビタミンC点滴目的に来院されました

 

高濃度ビタミンC点滴だけでがんを治そうというのではなく

・抗がん剤の副作用の緩和

・あわよくば抗がん作用

という私がいつも言っていることを理解してくださっての来院です

 

ビタミンC点滴後、パクリタキセル後に残っていた足のしびれが楽になったとのこと

 

これ、結構経験するんですけど、ビタミンC点滴をすると末梢神経障害が少し楽になる人が多いです(エビデンスはありません)

 

今後も続く抗がん剤の副作用も緩和されるといいな、、、

 

奇跡的にがんにも効くといいな、、、

 

 

 

捨てる神あれば拾う神あり

 

新年初めの診療で、良いお話を聞けたなとホッコリしました

 

 

ちなみに、この電話をかけてきた医師の口ぐせは

 

大丈夫

 

だそうです

 

ポジティブな医師は珍しく、貴重です

 

 

 

 

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