銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

先日、患者さんからこんな質問がありました

 

抗がん剤って、使い続けたら効かなくなるんですよね?

 

まあ、その通りではあります

 

 

こちらのブログの動画を見られたようで、それで上記の問いです

 

 

この患者さんは、子宮がんの腹膜播種でTC療法中で、当院ではTC療法の前後に腹腔内パクリタキセル投与を行っています

 

TC療法の6回目が終了するのに合わせて、腹腔内パクリタキセルも一旦終わりにしたいとの申し出がありました

 

腹膜播種はおそらくまだ小さいのが残存しているから、腹腔内パクリだけは継続を勧めようかと思っていたのですが、耐性を気にされて中止を考えたそうです

 

そういえば、婦人科系のがん(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん)って、がんが残存していようが、TC療法4-6回で一旦中止するよな、、、

 

消化器系のがんで、がんが残存しているのに抗がん剤を中止するってないよな、、、なぜだろう??

 

もしかして、消化器系のがんでも、効いている間に抗がん剤を1回中止してしばらく間を空け、また再開すれば、がんと共存しながら長く抗がん剤を使っていけるのでは?

 

 

 

抗がん剤を使っていると、いつかは必ず効かなくなって(耐性ができて)、抗がん剤の変更を余儀なくされます

 

でも、婦人科がんのように

 

回数を決めて一旦中止

 ↓

大きくなったら再開

 ↓

回数が来たら一旦中止

 ↓

大きなったら再開

 

のループを繰り返せば、長く効くようになるかもしれません

 

効いている間に一旦中止する勇気は婦人科以外の医者の頭の中には無いと思いますが、、、

 

効いている抗がん剤を中止するって、「抗がん剤は効いている間は延々と続ける」という非常に大きな固定概念を覆さなければなりません

 

 

なぜいったん中止して、また効くようになるのか、私なりに考えてみました

 

 

正常細胞やがん細胞には”競合”という考え方があります

 

一つのがん組織内でも顔つきの異なる多種のがん細胞が存在し、競合しています

 

競合の結果、力のある(適応力のある・多数派)がん細胞に、力のないがん細胞は抑え込まれたままになります

 

力のある方のがん細胞が、抗がん剤に感受性がある(=効く)細胞だとすると、抗がん剤治療を続けると下の図の上半分のようなことが起こります

 

抗がん剤に感受性のあるがん細胞がほぼ死滅して、立場が逆転し、抗がん剤に耐性のあるがん細胞が増えていき、いわゆる”抗がん剤抵抗性”という状態になります

 

図の下半分を見てみると、途中で一旦中止することで、まだ感受性のあるがん細胞の方が優っていて、感受性のある細胞が再び増えるので、抗がん剤が効くようになるという訳です

 

この考え方が合っているかどうかは分かりませんが、そうでないと答えが出ないような、、、

 

皆さんの考えも教えてください

 

いろいろな考え方を聞きたいので、シェアやリブログもお願いします!

 

 

 

 

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