銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

最近、You tuber の方が立て続けに子宮頚がん(前がん病変も含め)を公表されています

 

きりまるさん(25歳)

 

 

 

バチェラーに出演していた休井美郷さん(32歳)

 

 

Rちゃん(26歳)

 

 

あやなんさん(29歳)

 

ニュースで見るまで、上記の4人を知らなかったというのは内緒です…

 


子宮頚がんになるのは76人にひとりという割合なので、9人にひとりがなる乳がんと比べて、あまり周りにいないかもしれません

 

でも、毎年1万人の女性が子宮頚がんと診断されていて、過去に芸能人でも子宮頚がんを公表されている人は少なくありません

 

子宮頚がんを公表されている芸能人

和田アキ子さん

大竹しのぶさん

森昌子さん

三原じゅん子さん

古村比呂さん

仁科亜希子さん

原千晶さん

高橋メアリージュンさん

など、意外といらっしゃいます

 

子宮頚がんは他のがんと比べて圧倒的に若い世代に多く、20代から急に増え始め30代後半がピークとなります

 

また、毎年約3000人が子宮頸がんで亡くなっていて、子育て世代の母親が家族を残して亡くなるケースが多いことから、マザーキラーとも呼ばれています

 

そんな子宮頚がんですが、約9割はワクチンと検診で予防できるとされています

 

 

予防の話の前に、まずは一般的なお話からしていきます

 

 

<子宮頚がんの症状について>

 

初期の子宮頚がんでは症状が出ません

 

進行してはじめて、性交時の痛みや、不正出血(月経以外の出血のことです)、茶褐色のおりもの、下腹部痛などの症状が見られます

 

若い時や更年期では生理不順になりがちで、子宮頚がんによる不正出血を異常だと思わず放置してしまうことがあります

 

 

 

<子宮頚がんの原因>

 

子宮頚がんの95%以上は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です

*ブログではHPVで統一します

 

HPVに感染する経路は、基本的には性交渉です

 

性交渉の経験がある女性のうち、80%はHPVに感染したことがあると考えられて、そのうちの一部の女性が、将来子宮頚がんを発症することになります

 

HPVに感染してから子宮頚がんになるまでの期間は、数年から数十年と幅広いです

 

10代で感染したHPVウイルスによって20代で子宮頚がんになることもあれば、20代で感染し40代で子宮頚がんになることもあります

 

なぜ、そのように発症までに差があるかというと、実はHPVの種類によって発症までの時期が異なります

 

HPVには何十種類もあるのですが、そのうちがんになりやすいハイリスクタイプと呼ばれるものが15種類ほどあり、中でもHPV16型、18型と呼ばれるタイプは特に子宮頚がんになりやすく、しかもがん化までの期間が短いとされています

 

HPV16型では感染後4年以内に2.5%の人が子宮頚がんになり、18型だと感染後4年以内に1%の人が子宮頚がんになります

 

ということは、早い人は10代で感染し、10代のうちに子宮頚がんを発症する可能性もあるということです

 

 

 

<子宮頚がんの予防について>

 

HPVの感染を予防するには、子宮頚がんワクチン(HPVワクチン)が有効です

 

以前のワクチンは16型と18型だけの2価ワクチンだけでしたが、2023年今年の4月から他の7種類のハイリスク型を含めた、9価ワクチンが公費で受けられることになりました

 

9価ワクチンだとは、子宮頚がんの原因となるHPVの種類の大部分を予防することができます

 

接種回数は2回で、1回目は小学6年生の年度から15歳の誕生日の前日までに摂取することになっています

*15歳を過ぎていても、積極的な接種が控えられていた期間に該当する人、具体的には誕生日が1997年4月2日から2007年4月1日の人は公費で接種することができます

 

日本では、HPVワクチン副作用問題があり、約10年もの間、接種率が1%にまで低下してしまいました

 

その間も、諸外国では多い国では接種率が70%と高い状態が維持されていて、子宮頸がんの死亡率が年々低下していましたが、HPVワクチン接種率がゼロに近い日本だけが、死亡率が増えていきました

 

 

子宮頚がんの発症を予防するもう一つの方法として、子宮がん検診があります

 

HPVに感染しても、ほとんどの人は子宮頚がんになりません

 

それは、HPVに感染しても70%が1年以内に、90%の人が3年以内に自己免疫で体から排除されるためです

 

排除されずに残っている場合は、前がん病変である“異形成”と呼ばれる状態に進行していきます

 

異形成は、前がん病変とは言っても、必ずしもがんになる訳ではありません

 

異形成は

軽度異形成

 ↓

中等度異形成

 ↓

高度異形成

と進んでいきます

 

 

軽度異形成、中等度異形成で見つかっても、大部分の人が自然治癒してしまうので、特に治療は行わず経過観察となります

 

希望があれば、レーザーで異形成の箇所を焼いてしまうこともあります

 

 

高度異形成の場合には、高い確率でがん化することに加え、初期のがんが隠れている可能性があるので、子宮頚部を手術で切除します

 

ただ、手術を行うと妊娠した際に早産・流産のリスクが高まるので、妊娠や出産を考えている若い女性ではレーザー治療だけを行うケースもあります

 

その場合には再発する危険があるので、定期的な検査が必要です

 

ちなみに、はじめに紹介した、きりまるさん、休井さん、Rちゃんさんの3人とも高度異形成で手術を選択されています

(きりまるさんは、当初は中等度異形成だったのが、3か月後に再度検査したところ、高度異形成に進行していたため手術へと至ったそうです)

 

子宮がん検診は20歳という若い年齢からはじまります

 

20歳でがんになるなんて普通は考えないかもしれませんが、子宮頚がんに関しては十分あり得るので、性交渉の経験がある方はぜひ検診を受けてください

 

前がん病変のうちに見つけることができれば、がんを予防することができます

 

 


予防!予防!と勧めてきましたが、HPVワクチンはやはり怖いというイメージがあると思います

 

そのため、娘にHPVワクチンについて打った方が良い?かという質問をよくいただくのですが、、、

 

私の考えは今日18時からのYou tube配信でお話しますので、ぜひご覧ください!

 

 

 

ゼロがんch-ゼロからわかるがん医療

 

18:00に視聴できるようになります

 

 

 

 

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