銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

私が結構しつこく言っているアブスコパル効果

 

 

 

 

海外の症例でこれぞまさに!という論文があったのでご紹介します

<症例報告>

75歳男性 咽頭がん肺転移(ステージ4)

 

オプジーボ+ヤーボイ治療を3クール行うも増悪

頸部リンパ節転移が増大し皮膚潰瘍になり痛みも出たため、緩和放射線照射(15Gy)

 

左頸部リンパ節による痛みはすぐに軽減

放射線照射完了から 2 週間後のCTでは、大きな左頸部リンパ節腫脹は縮小

肺転移すべてサイズが縮小(最大の転移は 2.4 cm から 1.3 cm に約 50% 減少)

 

最初の放射線治療から 16 週間後、患者の左頸部リンパ節は消失、肺転移は縮小したまま

放射線照射開始から 20 週間の時点で、肺病変の 1 つはサイズが増大していたが、残りの病変はサイズが安定しているか縮小していた

最初の診断から10か月で、オプジーボ+ヤーボイの計14サイクルを完了し、現在もがんは安定している

 

実際の症例の画像です

免疫療法による QUAD-SHOT の前後の首と胸のイメージング。

痛みの原因となった左頸部リンパ節(A)に照射
照射していない肺転移(B)も縮小(D)
 
 
アブスコパル効果について文献を調べてみました

 

・悪性黒色腫、乳がん、肺がん、腎がん、肝細胞がんなどにおいてアブスコパル効果が報告されている

・アブスコパル効果が発現する時期は早いものであれば照射中からみられるが、一般的には12か月以内(結構時間がかかることもあるみたいです)

・効果持続期間は長いもので54か月以上と報告されている

 

 

 

今回の症例のように、緩和照射でアブスコパル効果が起きたら最高だなと思います

 

緩和照射に関しては、日本はもっと積極的になった方が良いと思います

 

緩和ケア医もこんなことを言っています

外科や内科の先生は、『痛みがないから』『骨折してないから』といって、緩和照射に結構消極的です

 

この先生の仰るように、緩和照射は『予防』の意味合いで行うべきだと思います

 

 

緩和放射線治療医先生もこんな風に言ってます

 

 

 

まだまだ理解度が低い医者が多いので、患者側から積極的に訴えるしかないです

 

 

 

 

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