銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です
こんな驚くべきニュースがありました
がんの組織から取り出した2つ細菌を組み合わせて培養し投与することでがんが消えるという仕組みです。 マウスによる実験では、注射でこの細菌を投与することにより数日で大腸がんが消え、さらに、大腸がんに対する免疫まで獲得したことが確認されています。 都准教授は、肺がんなどほかのがんでも効果を出せるとみて研究を続けています。
細菌を投与すると、がんが消える…?
先日のブログでは
がん組織の中に細菌が住んでいて、がん細胞を助ける
というお話でした
あれ?
矛盾してるんじゃん??
って思いますよね
ただこれは、細菌の種類によって働きが異なるようです
今回の発表の細菌は、低酸素状態で増える細菌ということで、低酸素状態がんの中心部に近いところで増殖し、それに反応した免疫細胞ががん細胞ごとやっつけるという仕組みです
がんの低酸素が分からない人は、こちらを参照に
地球上の生物が生命を維持するためには、酸素を使ってエネルギーをつくることが必要です。ところが、がん細胞は低酸素状態であっても生き延びることができ、また、そういう低酸素状態にあるがん細胞ほど治療抵抗性で悪性化しやすく、浸潤・転移・再発の温床となります。
まだ混乱している方、超はしょって簡単に説明しますね
がんの塊は、中心に行けば行くほど血液が流れずに酸素が送られてこないので、「低酸素」という状態になる
↓
低酸素の箇所は(血流も乏しく)抗がん剤や化学療法が効きにくい状態になる
このやっかいな低酸素状態を利用して、がん治療を行おうというのが今回の研究です
低酸素が大好きな細菌があり、それを腫瘍内に入れてあげる
↓
腫瘍内で細菌が増える
↓
細菌をやっつけようと、免疫細胞も中まで入ってくる
↓
細菌と一緒にがんをやっつけるので、がん細胞も消失する
動物実験では上手くいったようです
あとは人間でどうなるかですがね、、、
実現すれば低コストで副作用の少ない治療法になります
ただ、人間の体の中で同じような反応が起こらない可能性もあります
これから臨床試験が始まるとしたら、やっぱり数年後かなぁ
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