銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。

 

 

アエラのがんシリーズで大腸がんについて特集されていました

 

 

(記事より)

2022年に開かれた欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、大腸がんの薬物療法に関して驚くべき臨床試験の結果が報告された。MSI-High(遺伝子の修復機能にかかわるが不安定になっている)タイプの大腸がんの患者に、新しい免疫チェックポイント阻害薬を投与したところ、8~9割の人でがんが消失したというのだ。  

学会に出席していた愛知県がんセンター薬物療法部部長の室圭医師は、「まだ臨床研究の段階で、対象患者は非常に少ないのですが、もしかしたら一部の大腸がんでは、切除することなく薬で治す時代がくるかもしれません」と大きな期待を寄せる。

 

 

8~9割でがんが消失?!


って、ビックリしますよね

 

 

ステージ2-3(遠隔転移がない)の大腸がんの術前治療に関しては、昨年のASCO(米国腫瘍学会)でこんな発表がありました

 

dMMR(DNAミスマッチ修復欠損)もしくはMSI-High(マイクロサテライト不安定性)の大腸がんに限定されますが、ドスタルリマブという新しい免疫チェックポイント阻害薬を術前に投与したところ、100%の症例で完全奏効し、手術なしで経過観察が可能だったというものです

 

このdMMR/MSI-Highは、日本では大腸がんの3-4%にしか見られません(アメリカでは15%)が、それに当たれば、完全奏効も可能になります

 

 

今回の記事にあった、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)での発表は、dMMR/MSI-Highのステージ2-3の大腸がん患者にオプジーボ+ヤーボイを投与すると、下記のような治療成績になったというものでした

 

完全奏効 67%

腫瘍が90%以上縮小 95%

 

オプジーボ+ヤーボイという既存のよく使われる免疫チェックポイント阻害薬でこんな成績が出るとは…

 

 

オプジーボ+ヤーボイは、転移のあるステージ4の大腸がんでも69%という奏効率を達成しています

 

 

一般的に、抗がん剤も免疫チェックポイント阻害薬も、遠隔転移のあるステージ4よりもステージ2-3の方が効きやすいです

 

なので、先の図のような奏効率になったと思います

 

 

 

こんな治療成績が出るなら、確かに手術は不要になりますね

 

あとは副作用との兼ね合いですが…

 

 

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