銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。


 

こんな吉報が

 

 

 

 

非小細胞肺がんのステージ4でも、分子標的薬で延命できるようになり、5年生存者も増えてきました

 

しかし、根治まではいかないというのが今の現状です

 

 

 

ただ、そんなステージ4でも、ある条件下であれば、局所治療を行って生存期間が延び、時に根治してしまう症例があります

 

 

その条件はこちら

 

オリゴメタスターシス

(オリゴ=少数 メタスターシス=転移)

 

 

 

大腸がんではすでに知られており、少数肝転移(オリゴ肝転移)に対して、完全切除手術や放射線治療が積極的に行われることがあります

 

少数(1~5個)の転移に対して、局所放射線治療を加えることで生存期間が延びるというエビデンスもすでにあります

 

 

 

 

肺がんのオリゴメタスターシスは、肺癌診療ガイドライン(2021年度版)でも触れられています

 

エビデンスは足りていませんが、

オリゴメタスターシスに対して追加切除を加えることで

無増悪生存期間 3.9か月→11.9か月

生存期間  17.0か月→41.2か月

というデータがあります

 

再発しても3個以内であれば、手術や放射線治療などの局所治療を追加することで生存期間が延びるとされています

 

ただ、どのようなタイミングでどのような症例に行うべきかはまだはっきりしていません

 

それを明らかにしようというのが今回の臨床試験の目的です

 

 

 

 

残念ながら、抗がん剤単独ではオリゴ転移をコントロールできません

 

必ず最後は効かなくなって

 ↓

オリゴ転移が増悪

 ↓

オリゴ転移部位から他に転移

 ↓

結局治らない

 

ということになります

 

 

もちろん、局所をコントロールできても、隠れていた他の転移が出現し根治とならないこともありますが、オリゴ転移を制することは根治への一縷の可能性なのです

 

このオリゴ転移の臨床試験で根治症例も出てくると思います

 

これが標準治療化したら、もっと根治症例が出てくるでしょう

 

ステージ4=抗がん剤=延命という固定観念を捨てられればと思います

 


 

オリゴ転移の治療で生存率が延びると考えられているのが

・大腸がん

・肺がん

・乳がん

・前立腺がん

です

 

上記のがんの場合には、ステージ4だからと諦めずに、転移や再発が少数だった場合には局所治療を考えて良いと思います

 

主治医にオリゴ転移の知識がないと、ずっと抗がん剤治療ばかり行って根治の機会を逃す可能性があるので、患者側が賢くならなければなりません

 

 

 

実は当院でも乳がんのオリゴ転移で、治療している症例があるので今度紹介します

 

 

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